2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of Japanese Type Patent Strategy Based on Organizational Abilities and Open Type Bisiness Evaluation System Based on It
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19K01848
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 時政 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (20329626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 昌寛 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (60242905)
野中 尋史 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (70544724)
羽田 裕 愛知工業大学, 経営学部, 准教授 (80546268)
福澤 和久 愛知工業大学, 経営学部, 講師 (20847313)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 特許戦略 / 特許活用組織能力 / 付加価値創造 / 特許情報データベース / 特許情報パラメータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究期間を4年間に設定し、① 付加価値創造を最大化できる特許戦略に関する組織能力を明確化し、定義する、② ①の組織能力について診断できる特許情報パラメータを発掘する、③ ②のパラメータを用いた、付加価値創造を最大化する特許戦略に基づいた開放型事業評価システムを開発する、をその研究目的としている。 また、1年目の計画は、現在研究室にある特許出願情報データベースに、IIPパテントデータベースが提供しているテーブルを組み込み、解析範囲の拡張を図り、複数の企業に対して本分析法を適用してみて、各パラメータについて、大枠の状況を掴む、であった。また、2年目~3年目は、マクロな視点から企業規模や業種ごとの系統的な状況把握を行う予定であった。 各パラメータの企業規模や業種ごとの系統的な状況把握については、企業に対するヒアリング調査が必要であったが、コロナ感染症の影響により、調査対象である企業からヒアリング調査をする許可を得ることができず、今年度実現することはできなかった。 このような状況でも研究を進めるため、当該研究では、より多くの特許情報パラメータを得ることによってより精緻に企業の組織能力の様子を推測できるよう特許情報データベースの機能拡張を試みた。具体的には、データベースに、特許出願書類における「特許請求の範囲」、「発明を実施するための形態」といった項目のテキストを格納できるようにし、ここから必要なテキストデータを取り出し、特許審査の際に審査官によって頻繁に引用される特許に注目して、記述方法や文字のボリュームの観点から、何か特徴的なことがないかを調査した。 なお、このような状況下であるが、ここまでで得られた成果を以て、学会発表、論文投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究実績の概要でも述べたように、2年目~3年目の当該研究の計画は、マクロな視点から企業規模や業種ごとの系統的な状況把握を行う予定であったにも関わらず、コロナ感染症の影響により、調査対象である企業からヒアリング調査をする許可を得ることができず、必要な結果を得られなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
品質の良い特許出願書類を作成するには、その構成要素である特許請求の範囲、発明を実施するための形態、図面等をどのように記載すれば品質が良くなるのかといったノウハウや自社商品のどの部分や機能を特許として出願するかを開発部門と知財部門で話し合って決定する組織間連携ができる仕組みといった組織能力が必要である。 今年度については、ヒアリング調査を実施することが難しかったため、品質が良い特許出願書類はどのようなものかを深堀するために、まず、データベースの機能を拡張した。そして、データベースにテキストを格納できるようにし、ここから必要なテキストデータを取り出し、自然言語処理により、品質の良い特許出願書類の文書の特徴を調査するとともに、特許出願書類のページ数の増加に最も寄与している構成要素を特定した。なお、これは、当研究の出発点となった弁理士と自社(自分)で作成した特許出願書類のページ数差3ページが、主として、どの構成要素の増加によるものかを詳しく調べ、そこにどのような特許出願書類作成のテクニックが隠されているかを解明するためである。これらは、まだ途中であり、今後完成に向けて研究を進める。 また、特許出願をした後の審査請求の時期を企業ごとに見ていくと、ある一定期間で一度に審査請求をする傾向を有する企業群と比較的ばらついて審査請求を行う企業群があることがわかった。このことから本研究では、「組織内に、どの特許出願を審査請求するか、またそれをいつするのかをきちんと検討する組織関連携システムを有する企業の審査請求時期はある程度ばらつく」という仮定のもと、データベースからこれら2つの企業群に含まれる企業を調査対象として選定する。そして、調査対象とした企業に対して裏付けアンケート調査を行い、この仮定が成り立つかどうかを検証する。コロナ過の状況が終息すれば、これらの企業にヒアリング調査も実施したい。
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Causes of Carryover |
本研究の遂行には企業に対するヒアリング調査が必要となるが、今年度についてはコロナ感染症の影響により企業に出向き、ヒアリング調査を実施することができなかった。ヒアリング調査を予定していた企業は複数あったが、一つも実施することができず、このための予算(旅費)を消化できなかった。 また、共同研究者との対面での研究打合わせのための旅費について、消化できなかった。
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