2022 Fiscal Year Research-status Report
重要成功要因が組織文化として定着する組織的プロセスの研究
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19K01857
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 伸夫 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (30171507)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 創発的戦略 / ガソリン・スタンド / 重要成功要因 / 組織文化 / 日本経営品質賞 / ぬるま湯 / 交通事業者 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、「重要成功要因が組織文化として定着する組織的プロセスの研究」の重要な要素として事例研究を行ってきたが、その中でも成功事例として、20世紀末から激減したガソリン・スタンドの業界の中で生き残り、そこで生み出した創発的戦略を重要成功要因として組織文化の形でも定着させ、さらに脱炭素時代を迎える中でも、ガソリン車ではなくても「自動車」に対するサービスで生き残ろうとしている会社の研究を行った。その研究成果として、重要成功要因がいかにして組織文化として定着してきたのかを論文 "Emergent strategies for gas stations to survive in a carbon neutral age: The challenge of Yamahiro" にまとめ、英文査読誌 Annals of Business Administrative Science 誌に掲載された。 また、より組織文化的な特性として、組織の「ぬるま湯感」の測定をしてデータを蓄積してきたが、今回、研究成果の社会還元の一つとして、交通事業者にとって、どのような要因が成功要因になりうるのかについて、鉄道事業者向けの雑誌『JR経営情報』に、より実用的な観点から「ぬるま湯の不都合な真実」と題して、整理して解説した。 さらに、これまでの研究を基にした応用編として、日本経営品質賞の受賞企業において、どのような組織的プロセスで、重要成功要因が組織文化として定着してきたのかを一般化し、日本経営品質賞のアセッサー向けに解説した論文「JQA表彰推薦理由の変遷について」を書いて、『アセッサージャーナル』誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までのところ、おおむね順調に進展しているが、2023年3月末で東京大学を定年退職し、4月から東京理科大学に奉職することとなったため、研究室等の整理の必要があり、2022年度の後半はやや停滞しがちであった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は最終年度なので、5年間の研究成果を専門書の形でまとめたいと考えている。
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Causes of Carryover |
残額が7650円だったので、帳尻合わせのために安い物を買うことをせずに、次年度分と合わせて使用する方が有益だと考えたため。
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Research Products
(3 results)