2022 Fiscal Year Annual Research Report
社会的企業のハイブリッド組織マネジメントの統合的解明
Project/Area Number |
19K01865
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Research Institution | Onomichi City University |
Principal Investigator |
後藤 祐一 尾道市立大学, 経済情報学部, 准教授 (10613581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 恵子 関西大学, 商学部, 教授 (00349325)
金井 一頼 青森大学, 機関の長, 学長 (50142831)
木村 文則 尾道市立大学, 経済情報学部, 准教授 (70516690)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 社会的企業 / 社会的成果 / 経済的成果 / 緊張関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,就労移行支援事業を実施している国内の組織を対象に,社会的な価値と経済的な価値を同時に追求するハイブリッド組織のマネジメントに関する理論構築および実践的な意義を提示することである。 最終年度である本年度は,以下の2点を実施した。 第1に,障がい者の就労移行支援事業を行っている日本国内の企業を対象とした比較事例研究である。具体的には,①社会性ロジックと経済性ロジックという相反するロジックを両立するためのマネジメントのあり方,②そのマネジメントのあり方と社会的成果と経済的成果の関係の2点について分析・考察を行った。分析の結果,分析対象の企業ごとに社会性ロジックと経済性ロジックを両立するためのマネジメントのあり方は異なっており,そのあり方によって社会的成果と経済的成果に違いが見られることが明らかとなった。なお,この研究の成果は,日本NPO学会の機関誌である『ノンプロフィット・レビュー』に掲載された。 第2に,社会的企業における経済的目的と社会的目的における緊張関係と,そのマネジメントの研究を進めた。その結果,2つの目的を追求するためのマネジメントを分析・考察するためには,企業家チームの構成や事業機会に対する認識にまで遡って検討する必要があることを指摘した。また,社会的企業の研究において,①業界の特徴,②企業家チーム,③追求する価値,④戦略,⑤組織マネジメント,⑥経済的成果と社会的成果の6つの要素に着目すること,ならびに,その相互関係を整理した。なお,この研究の成果は2023年度に公刊される予定である。 また,これまでの研究成果の一部については,学会報告を行った。
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Research Products
(2 results)