2021 Fiscal Year Research-status Report
アメーバ経営における経営理念と投資行動と財務政策の相互関係の研究
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19K01866
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
武田 寛 北九州市立大学, 大学院マネジメント研究科, 教授 (70405546)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アメーバ経営 / 投資行動 / 財務政策 / 経営思想 / 統合報告書 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は、アメーバ経営における経営理念と投資行動と財務政策の相互関係の研究を行い、論文「企業経営の目的と統合報告書」では、以下の成果を得た。第一に、経営理念と関係が深い、企業経営の目的に関する論点を簡潔に整理した。具体的には、株主価値最大化説と、近年の学界や実業界に大きな反響を及ぼしている、オックスフォード大学経営大学院コリン・メイヤー教授の主張を採り上げた。第二に、経営理念と投資行動と財務政策の相互関係と関連が深い、統合報告書のガイドラインについて分析した。具体的には、国際統合報告フレームワーク、価値協創ガイダンス、GRIスタンダード、SASBスタンダードについて分析した。第三に、アメーバ経営の事例研究として京セラ株式会社の統合報告書を分析し、その特徴を明らかにした。 このように、アメーバ経営における経営理念と投資行動と財務政策の相互関係について、企業経営の目的や統合報告書の観点から分析したことは、独自の視点による分析であり、意義がある。また、この方法は、アメーバ経営における経営理念と投資行動と財務政策の相互関係にとどまらず、他の企業の分析にも応用できる点は重要である。この方法によって、今後、経営理念と投資行動と財務政策の相互関係の視点から、アメーバ経営をしている企業と、アメーバ経営をしていない企業とを比較することによって、アメーバ経営の本質を追究できる可能性があるので、大きな意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は、アメーバ経営における経営理念と投資行動と財務政策の相互関係の研究を行い、論文「企業経営の目的と統合報告書」を公表した。この論文によって、アメーバ経営における経営理念と投資行動と財務政策の相互関係について統合報告書の観点から分析することができた。 しかし、計画していた「投資行動と財務政策の相互関係」に関する研究は、予定通りには進まなかった。これは、身内の不幸があったことと、研究遂行に想定以上の時間を要したためである。 以上の進捗状況から区分(3)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、これまで研究を進めてきた「投資行動と財務政策の相互関係」、「経営理念と投資行動の相互関係」、「経営理念と財務政策の相互関係」の研究をさらに発展させる。「投資行動と財務政策の相互関係」については、令和元年度からの分析をさらに進め、英文論文を完成させて発表する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルスの影響により、参加予定であった学会の開催がオンラインとなり、旅費が発生しなかったため。 使用計画は、1. 経営関係図書・アメーバ経営関係図書、2. 英語論文の校閲、3. 調査研究・成果発表に関わる旅費、4. パソコン関連の消耗品などである。
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