2020 Fiscal Year Research-status Report
フォロワー視点による組織不祥事の発生・加速メカニズムの解明
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19K01869
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
日野 健太 駒澤大学, 経営学部, 教授 (70339670)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 心理的安全 / 沈黙 / リーダーシップ / 組織文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
諸般の事情から調査の実施が遅れているが,以下の研究を行った。 1.組織学会研究発表大会に研究報告を申し込み,6月に報告する予定であったが,コロナ禍の影響で10月の報告となった。福岡女学院大学藤村まこと先生と「組織文化と沈黙:権力格差と成果志向の影響」と題する報告を行い,同名の報告論文が,『組織学会大会論文集』9巻2号(2020年)に掲載された。 ここでは,組織におけるよくない出来事に直面したメンバーが見て見ぬ振りをする「沈黙」の動機のメカニズムが,組織文化の影響下にあることを明らかにした。結果の報告は行っていないが,組織レベルでの組織文化の定量的な把握についての問題(例えば,不確実性回避を測定する尺度には信頼性を高める工夫が必要)が明らかになった。期待と失望形成のメカニズムを考える際に有益な知見を得ることができた。 2.2019年6月に本学で行われたメアリー・ハッチバージニア大学名誉教授の講演「組織文化と物的構造」の翻訳を『駒大経営研究』第52巻3/4号に掲載した。 物的構造を手がかりにリーダーが組織文化を築いていくメカニズムについて理解を深めることが可能になった。また,物的構造(建物やデザイン)に対する組織論的な考察が限られている中で,この講演の翻訳を刊行することができたのは,貢献たり得ると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍によるオンライン授業への対応,および,その影響を受けてのリサーチサイト選定の遅れのため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究機関の延長を前提として,調査会社を利用したオンラインサーベイによってデータを収集し分析を行う。
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Causes of Carryover |
国際学会に参加しての研究発表が行えていないことと,調査の実施が遅れているため。
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Research Products
(4 results)