2022 Fiscal Year Annual Research Report
中小企業における戦略探索とコミュニケーション方法の定性的分析
Project/Area Number |
19K01870
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
芦沢 成光 常葉大学, 経営学部, 教授 (20184161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 英伸 玉川大学, 経営学部, 准教授 (20632912)
飯村 龍一 玉川大学, 経営学部, 教授 (80266246)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 戦略形成 / 注意 / 価値 / 注意エンゲージメント |
Outline of Annual Research Achievements |
研究では北陸3県の優れた中小企業経営者への聞き取り調査を実施し、仮説の検証を行った。しかしコロナ感染症の蔓延によって、聞き取り調査を2年間実施することができなかった。その結果、全部で13社の中小企業経営者への調査にとどまり、当初予定した25社程度の調査を実現することはできなかった。その限られた調査の中で明らかにされたのは以下の点である 1、戦略探索について、注意の視点の変化から捉えることでその戦略の具体的な形成プロセスを理解することができる。2、経営者の注意の視点は、多くの場合固定されているが、外部者の視点から影響を受け、変化することが明らかになった。3、北陸3県の中小企業の伝統的な産業である織物産業、製薬業、板金業、機械産業等では、その事業内容の変化が大きく進展している。4、北陸3県の中小企業は、特定の業務に特化し、その市場の変化を認識できる条件が存在している。5、市場の変化に積極的に対応できている経営者は、外部者の視点を積極的に取り入れている。6、積極的に外部者の視点を取り入れる際には、多く開催されている展示会、そして国や県レベルの機関からの情報や助言が重要な役割を果たしている。7、経営者のコミュニケーションについて、多くの中小企業では企業規模も小さいため、日常的にほとんどの従業員と対面での会話が行われている。また、1年に1度か2度にわたり個人面談(もしくはミーティング)を実施する中小企業が多くあり、個人ごとに従業員の考え、そして企業のビジョンや戦略の理解を深めることが行われている。 以上の7点に要約できるが、注意視点に関する研究成果としては、優れた中小企業経営者の注意視点の変化について4つの類型化を行い、北陸3県の中小企業の注意視点の特徴点を明らかにしている。
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