2022 Fiscal Year Research-status Report
The Roles of Entrepreneurial Employees in Foreign Business Expansion for Japanese SMEs
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19K01872
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
山本 聡 東洋大学, 経営学部, 教授 (60632346)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中小企業 / 自営業者 / 海外市場参入 / 個人的企業家志向性 / 職務自律性 / 職務多様性 / バーンアウト / 企業家的ストレッサー |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究実績は以下のとおりである。査読論文2本(そのうち1本は2023年8月刊行予定)、招待論文1本、日独中小企業の比較に関する調査報告書(MISC)を刊行した。調査報告書は、2023年中に書籍として、刊行予定である。学会報告は国内学会にて、3回行った。2023年度中の学会報告1回もすでに決定している。さらに、招待講演に関しては、研究代表者の所属する大学でのシンポジウム1回、外部の機関、団体からの招待講演4回だった。中小企業調査を踏まえた特設サイトも開設した。研究計画に沿って、プロジェクトの研究成果を多方面で、発信している。特に、査読論文「個人的企業家志向性の自己・他者評価の差と人事考課」『Venture Review』では、本プロジェクトの主題である「企業における従業員の企業家行動の促進・阻害要因と自律性の関係」を、コーポレート・アントレプレナーシップ、個人的企業家志向性、職務自律性、職務多様性といったアントレプレナーシップ研究における概念を下敷きに、実際の企業の人事データを用いながら、計量的手法により解明している。また、刊行予定の査読論文である「自営業者のバーンアウトと個人的企業家志向性」『日本中小企業学会論集』では、起業家あるいは中小企業の被雇用者の企業家行動の阻害要因としてのバーンアウトに着目するアイディアを示した。その上で、質問紙調査から、個人的企業家志向性とバーンアウトの関係の一端を明らかにした。コロナ禍の落ち着きから、研究計画書通り、2022年度の調査として、東京都、埼玉、大阪、燕三条、静岡、愛知、鹿児島の地域中小企業の調査を行った。本プロジェクトの延長線上にある産官学連携の共同研究を下敷きにして、タイの日系中小企業と台湾の日系大企業、ローカル小規模企業の多角的な調査を行った。本科研費プロジェクトはコロナ禍により、一時期の遅滞を乗り越えたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本科研費プロジェクトは2021年度まで、コロナ禍による種々の行動制限、オンライン講義の負担などから、想定していた調査ができず、「やや遅れている」となっていた。しかし、2022年度はコロナ禍が落ち着き、行動制限が緩和されたこと、コロナ禍における研究計画の転換から、2020年~2021年度に収集したデータの活用が可能になったことが合わさり、研究成果の公表が進展した。その上で、2022年度は、査読論文1本、刊行決定の査読論文1本、招待論文1本、調査報告書(MISC)1本、国内学会報告3回、招待講演4回、特設サイトの構築を実施した。また、これとは別に、研究代表者による日本中小企業学会全国大会開催1回、中小企業・起業家に関する学内シンポジウム開催3回を行った。そして、本プロジェクトの成果を活用した社会実装を鑑み、大同生命、荒川区との産官学連携の共同研究を2本行った。実際の調査としては、東京都、埼玉、大阪、燕三条、静岡、愛知、鹿児島の地域中小企業の調査を実施した。また、コロナ禍以前の2019年以来となる海外現地調査として、タイ、台湾の日系中小企業、ローカル中小企業の調査も実施できた。さらに、コロナ禍における研究計画の変更により実施してきたオンラインの質問紙調査のデータが蓄積され、分析が可能になった。以上より、中小企業経営者・自営業者・中小企業/大企業の被雇用者の企業家行動の阻害要因として、新たに企業家的ストレッサーとバーンアウトに着目することができるようになった。これらは、いわゆる「アントレプレナーシップの暗黒面」に介在するコンセプトであり、国内の中小企業研究、アントレプレナーシップ研究の文脈では、いまだ未開拓の領域である。以上の研究成果の公表、調査の進展、新たな研究コンセプトの発見を踏まえて、「(1)当初の計画以上に進展している」と選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は期間延長後の最終年度となる。コロナ禍により、幾度かの研究計画変更を行ってきたが、一定のデータ収集・蓄積が実現した。また、研究成果の公表・発刊も行った。そのため、2023年度は学会報告、論文執筆・投稿など、研究成果の公表に傾注しつつ、コロナ禍で手薄になった調査に重点を置く。具体的には、九州・鹿児島県など国内遠隔地の中小企業調査や、タイなど海外の日系・ローカルの企業調査などを重点的に実施する。可能な範囲で、国際学会参加・報告などを行い、海外アカデミアの先端的な研究テーマに関する情報収集も実施する。加えて、企業・公的機関・自治体での依頼講演などを通じて、成果の普及と社会貢献にも努めることにする。
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Causes of Carryover |
2020年度からおよそ3年間継続した、新型コロナ禍の影響により、本研究プロジェクト全体の研究計画の変更を余儀なくされた。今年度は延長後の最終年度のため、本研究課題を整理・深耕しつつ、新たな研究課題との接続を企図しながら、2022年度のフォロー調査としてのタイや台湾などの海外企業調査や鹿児島県や長野県の国内調査を実施する。その過程で、必要となる資料や消耗品、機器・備品、ソフトウェアの計画的な購入も実施する。
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