2022 Fiscal Year Research-status Report
ダイバーシティ・マネジメントによる組織変革プロセスモデルの開発
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19K01880
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
脇 夕希子 九州産業大学, 商学部, 准教授 (90587453)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ダイバーシティ・マネジメント / インクルージョン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究テーマは、ダイバーシティ・マネジメントによる組織変革プロセスモデルの開発である。ダイバーシティ・マネジメントには従業員が組織の一部であるという、従業員の認知が必要不可欠である。本年度は欧米で使用されているインクルージョン尺度は、日本における従業員のインクルージョン認知の質問項目として妥当かを検討した。なぜなら、日本の雇用慣行や職場関係を鑑みると、欧米で利用されているインクルージョン尺度として実態に即していない質問項目が利用されている(例えば、「組織の重要な変更については、たいてい最後に知ることになる」(Mor Barake,2017)と考えるからである。 インクルージョン認知の測定項目の先行研究より、Mor Barake(2017)、およびJansen et al(2014)の測定項目を使い、日本においても援用できるかを日本で働く従業員に焦点をあて尺度開発をおこなった。Mor Barake(2017)の尺度を援用し、日本で働く従業員にアンケート調査を実施し、そのデータで因子分析を行った。仮定の通り、すべてが適合せず、削除する項目があった。また、欧米の研究ではインクルージョン認知は所属感とありのままの自分という真正性の2要因で構成されているが(Jansen et al, 2014)、日本で働く従業員で調査しそのデータを因子分析すると、両者に同程度の影響を与える因子が見られるとともに、両者の2要因は高い相関をもつことが明らかとなった。 研究を進めていく上で、従業員のインクルージョン認知、企業のインクルージョン風土を高めていくためには、リーダーや従業員メンバー(フォロワー)に対して、どのような働きが求められるのか。また、リーダーの影響力のほかに、どのような要因がインクルージョン認知を高めるのかの研究の必要性を認識した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究テーマは、ダイバーシティ・マネジメントによる組織変革プロセスモデルの開発である。これまでの研究で、従業員のインクルージョン認知に関する研究が終了したため、概ね順調に進展していると考えている。最終年度は、それを踏まえ、企業がどのように組織変革をしていったのか、そのプロセスを明らかにする。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、組織変革プロセスを明らかにするため、企業がどのように組織変革を行っていったのかを事例研究とともに明らかにしたい。そのために、以下2点を明らかにしたい。 第1が企業の組織開発プロセスモデルを策定することである。そのために、組織開発の先行研究をしている。 第2が策定した組織開発プロセスモデルを基に企業インタビューを実施し、モデルを精緻化することである。
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Causes of Carryover |
学会出張がオンラインで参加できたため、出張費をあまり使う必要がなかった。今年度は学会及び、企業インタビューの出張費、追加で必要となった場合のアンケート調査費で使用したい。
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