2023 Fiscal Year Annual Research Report
ダイバーシティ・マネジメントによる組織変革プロセスモデルの開発
Project/Area Number |
19K01880
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
脇 夕希子 九州産業大学, 商学部, 准教授 (90587453)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ダイバーシティ・マネジメント / インクルージョン / 所属感 / 自分らしさの発揮 / 組織変革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究に関しては、ダイバーシティ・マネジメント実施に向けた組織の組織変革プロセスモデルを再構築した。組織変革にはトップの意識が必要となる。それを組織メンバーに伝えていくが、その方法は二つの方向性があり、同時に実施する必要がある。一つは制度(例えば人事制度、教育制度)の変更である。人事制度の変更にあたっては、組織メンバーが組織の中に所属感がある、その組織の中で自身の能力が発揮することができるという認知が必要になる。もう一つは、組織メンバーの価値観・考え方に対する働きかけである。働きかけには、組織の教育としてOJTやOff-JTが必要となる。具体的には、ダイバーシティに関する学習支援、後援会、ワークショップなどがある。 研究機関全体を通じて実施した研究の成果に関して、出発点は、ダイバーシティ・マネジメントやダイバーシティ&インクルージョンなど、多様な組織メンバーをマネジメントする手法で使用されるワードが異なる。それらは異なる概念か否かを検討し、インクルージョンの概念を示した。その中で組織メンバーは、組織への所属感とありのままの自分が組織の中で発揮できることが必要であると示した。そして、それらを感じるための構成要素として、組織のあらゆる階層に参画できている、公正に取り扱われていることを指摘した。また、日本のインクルージョン研究では、組織メンバーのインクルージョン認知を測定する項目は海外で利用されている尺度で測定する。雇用慣行が異なる中で、日本で働く組織メンバーのインクルージョン認知を適切に測定することはできるのかという関心の下、インクルージョン認知の尺度を開発した。 最終年度は、インクルージョン認知を醸成するため、企業はどのような取組を実施しているのかを文献研究より整理し、導出していた組織変革プロセスモデルの再構築を行った。
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