2021 Fiscal Year Research-status Report
職場チームの課題特性と風土がチームの失敗学習に及ぼす影響
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19K01881
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Research Institution | Fukuoka Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
藤村 まこと 福岡女学院大学, 人間関係学部, 准教授 (10404039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三沢 良 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (90570820)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | チーム学習 / 失敗学習 / 振り返り / 信頼 / チーム風土 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では,チームを取り巻くテクノロジー環境やバーチャル性についての文献研究やアンケート調査を行った。新型コロナウィルスにより加速したビジネス環境のデジタル化の中で,テクノロジーの活用の程度や,バーチャル性の高さが職場での個人やチームに及ぼす影響を検討することは重要である。そのため,職場のテクノロジー環境と課題特性について概念と尺度の整理を行った。そして,アンケートで得られたデータを用いて,それらの要因がチームレベルの信頼や失敗学習に及ぼす影響を検討したところ,企業規模にって影響過程が異なることが示された。また,チームの信頼と学習を測定する尺度について,信頼性と妥当性の検討も進めている。当該年度では信頼を“他者の意図や行動に対する肯定的な期待に基づいて,その行動に対して無防備になることを厭わないこと(Mayer, Davis, & Schoorman, 1995)”と定義し,チーム内での相互のモニタリングとともに,チームレベルのリフレクションに与える影響を検討した。現在,分析を続けているが,概してチーム内の信頼やモニタんリングは,チームの振り返りや個人による失敗学習を促進する効果を示した。加えて,今回の調査ではチーム内の信頼や学習行動を測定する尺度の項目内容,そして因子間の関係性など,改良の余地があることも示された。今回の調査を予備調査として位置付け,得られた結果をもとに尺度とモデルの見直しを行い今後も継続調査を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備調査としてウェブアンケートを実施し,その分析と学会等での報告を行っている。引き続き継続調査が必要であるが,研究デザインの検討と確定に時間を要したため,調査実施に時間を要している。次年度は,予備調査のデータを用いた分析,ならびに理論的背景を検証した上で,調査を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施した調査や文献研究をもとに,本研究のモデルの検証を行う。具体的には,チーム内の信頼と学習を測定するための尺度を明らかにした上で,関連する変数とその影響の特定を行う。あわせて,その成果を学会や学術誌等で公開する。
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Causes of Carryover |
当該研究の期限を延長したことにより,2022年度にも引き続き,調査と研究を行う予定である。次年度使用額は,その調査費用ならびに研究発表の費用として使用することを考えている。
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