2019 Fiscal Year Research-status Report
コンテンツ産業における優位性を持つプロデューサー・システムの比較実証研究
Project/Area Number |
19K01882
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Research Institution | Kawaguchi Junior College |
Principal Investigator |
山本 重人 川口短期大学, その他部局等, 准教授 (50533147)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経営学 / 経営組織 / 組織デザイン / コンテンツ / コンテンツ産業 / コンテンツビジネス / プロデューサー / プロデューサー・システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、芸術性および商業性双方で優れたコンテンツを開発できる組織および分業関係がいかなるものなのかを検討していくことで、マクロ組織の視点でコンテンツ産業の発展に寄与することを長期的な目的としている。そして、方法としては、各コンテンツの製作組織であるプロデューサー・システムの比較を行い、その差異を指摘する方法を採用している。 今年度の実績としては2つ挙げられる。第一に、元日本テレビアナウンサーの福留功男氏にインタビューができたことである。「局の番組制作能力が低くなっていること」、「内製が少なくなっていること」、「良いスポンサーがつかなくなっていること」、「人のまねが多いこと」、「良い構成作家がいなくなった」等々、業界の現状を把握できる機会を得られた。また、「良いものを作ったら数字が見えてくる」、「こびずに良いものを作って賛同者を徐々に増やしていく」、「こびた番組を作っても半年も持たない」など、本研究のテーマである、芸術性および商業性双方で優れたコンテンツを開発できる組織の分業関係に関係している数々の発言を得ることでき、研究を進めていく上で刺激的なインプリケーションを得ることができた。ただ、今年度中に論文にすることができなかったため、次年度の課題として取り組みたい。また、今後のインタビュー調査への快諾と業界の方々へのインタビュー依頼への協力も快諾いただき、本研究を継続していく上でのインタビュイーの確保という面で収穫の大きい用務であった。 第二に、立命館大学経営学部の池田伸先生との共著論文を執筆中である。昨今の経営学においては「ビジネスモデル」という分析枠組みが用いられている。しかしながら、その定義は多様であり、コンテンツ産業を昨今の「ビジネスモデル」の枠組みで捉えなおすには、ビジネスモデル論の論点整理およびリサーチクエスチョンを検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、研究成果を論文としてまとめきれなかったことと、コロナの影響により予定していたインタビュー調査を中止せざるを得なくなったことから、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を論文としてまとめていないものが複数あるため、まずはそれを執筆したい。福留功男氏だけなく、以前対談させていただいたNHKの小堺正記プロデューサーとも連絡を取り、複数のインタビュイーを確保していきたい。
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Causes of Carryover |
コロナに伴う影響のため、予定していたインタビュー調査を実施できなかったため、次年度に調査を実施し、使用したいと考えている。
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