2023 Fiscal Year Annual Research Report
Metabolism of Inter-Firm Transactions in Complex Large Network
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19K01884
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山野 泰子 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 講師 (90772674)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サプライチェーン / 企業取引の動態分析 / 新陳代謝 / ネットワーク構造解析 / クラスター進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ネットワークを構成する要素間の動的推移と構造特性を捉える2つのノード指標を提案し、それらを企業間取引ネットワークにおけるクラスターの評価に適用することで、地域の産業構造と適応力に関する新たな知見を抽出した。 令和5年度は、本研究の取組みを総括した研究成果を、単著の学術図書『地域ネットワーク解析:ビジネス生態系におけるつながりの構造と新陳代謝』として東京大学出版会より出版した(2024年2月15日発行)。同書は日本学術振興会の研究成果公開促進費の助成を受けたものである。当該書籍の出版により、各種研究会での講演やインタビューの依頼が続けて来ている状況であり、今後も本研究の成果については引き続き考察を深め、機会がある度にブラッシュアップした内容を発表していくことを予定している。個別企業の動態分析を行う提案指標である新陳代謝度については、海外論文誌に投稿を行い、採択された。同書および同論文に関心を持った海外の研究者から分担執筆の依頼があり、来年度は海外大手の学術・専門出版社から supply chain dynamics のテーマで書籍を発行予定である。 サプライチェーンのデータ分析環境については、データホルダーとの共同研究契約の下、最新の取引関係データを含む大規模なデータへのアクセスおよび本研究の分析手法に適したサーバ環境が整い、新たな体制での研究が進んでいる。本研究で取り組んできた、ネットワーク内で遠く離れた位置にいる企業との間に潜在する影響関係の分析に関しては、最先端のネットワーク分析手法を取り入れ、ネットワーク上のランダムウォークの枠組みを拡張する研究を進めている。同研究計画は令和6年度の科学研究費助成事業(基盤C)に採択されており、研究課題「大規模企業間取引データを用いた高次取引先企業間の影響関係の推定」として引き続き研究を行う予定である。
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