2022 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical Study of Employee Satisfaction Considering Work Life Events and Organizational Performance
Project/Area Number |
19K01887
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
岡嶋 裕子 京都先端科学大学, 経済経営学部, 准教授 (50761649)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ワークライフバランス / 職務満足・労働意欲 / キャリア / ライフステージ / 上司 / 職場環境 / 人事制度・施策 / ウェルビーイング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,長期間にわたる私生活でのイベントと職業生活でのイベントの双方を重ね合わせ,個人要因と組織要因の双方を考慮した統合的な実証分析により,ワークライフバランス(以下WLB)への関係要因を探求した。 第一の研究課題では,ある単一企業に所属する全従業員を15年追跡したデータから,昇進,昇格などの仕事の質の次元が変わるような仕事のイベントと私生活のイベントの双方を同時に捉え,個人効果を踏まえた上で職務満足等の長期的に分析した。新卒入社時から中堅社員となるまでの追跡データによる分析では,就業初期の上司行動の重要性として,適切な業務指導や助言の有無や上司を尊敬できたか,等が新卒入社社員のその後の職務満足,勤続意思およびキャリア意識に影響を与えることを確認し,研究成果については学会にて報告した。さらに,上司の行動とWLB満足度の関係分析についても英語論文執筆を進め,DP公開したものをベースに,引き続き専門雑誌への投稿準備を進めている。 複数企業のクロスセクションデータを使用して単一企業にとどまらない補足的検証を行う予定だった第二の研究課題については,新型コロナウィルスの蔓延の影響を受け,企業とのデータ整備の最終確認作業が進まず,研究計画を見直した。インターネット調査でのデータ収集に切り替え,現在の上司や職場環境に加え,キャリア意識形成の重要な時期である初職での職場環境と経験に着目した分析を行った。分析結果からは,正規雇用か非正規雇用かに関わらず,働く女性のキャリア形成意欲に,上司のキャリア形成意欲および周囲にロールモデルとなる人がいることが確認され,さらに,正規雇用の女性においては初職の職場の心理的安全性が重要であること等,従来の研究に新しい貢献を加えることができた。本研究成果についても,既に予定済の学会報告の後,論文にまとめたものを専門雑誌へ投稿予定である。
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