2020 Fiscal Year Research-status Report
異文化コンピテンシー尺度の開発と国際人材開発への応用
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19K01893
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
山崎 佳孝 文教大学, 経営学部, 教授 (50387312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 道子 文教大学, 経営学部, 准教授 (30439343)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 異文化コンピテンシー / 尺度の開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は2つある。第1段階の目的は「異文化コンピテンシー尺度の開発」、第2段階の目的は「国際人材開発への応用」である。2020年度は、初年度と同様「異文化コンピテンシー尺度の開発」をメインとし、第2段階移行への準備とした。 【データ分析】2019年度に実施したアンケート調査(パイロット的役割)により収集したデータを分析した。分析対象の尺度は「異文化コンピテンシー尺度」と「異文化フレキシビリティー尺度」の2つである。前者の尺度に関しては、探索的因子分析と確認的因子分析を実行し、3つの因子を抽出し特定化した。理論上7つの因子があるので、各因子の質問項目を検討した。「異文化フレキシビリティー尺度」に関しては、記述的分析並びに学習モードとの相関分析を実施した。 【第2段階移行の準備】①尺度のオリジナル言語は英語であるため他国言語への翻訳を要する。タイとインドネシアで「国際人材開発への応用」の研究を実施するため、タイ語へ翻訳はタイの大学院生、インドネシア語への翻訳は、インドネシアの大学教員に翻訳を依頼した。同時に両2か国でのデータ収集の協力を依頼し、協力を取り付けた(コロナ禍の状況で実施は延期)。 ②異文化コンピテンシー尺度の完成後に着実に「国際人材開発への応用」の研究を実施するため、日系企業K社に対して日本とインドネシア支社の調査への協力を再度依頼し確認した(ただしコロナ禍の状況のため調査時期は今後検討することになった)。 【論文の執筆の準備】①「異文化コンピテンシー尺度」と「異文化フレキシビリティー」に関する論文投稿のため、ターゲットとなるジャーナルの検討し、前者は海外の専門誌とし、後者は国内の専門誌に絞り執筆を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
遅れている理由は2つあげられる。①2020年度はコロナ禍の影響で対面形式の授業からオンライン授業となり、春学期と秋学期を通してオンライン授業用の教育教材の作成と運用のため多くの時間を費やした。その結果、予定していた研究活動を十分に行うことができなかった。②タイ、インドネシアを含む海外の調査協力について同意は得たものの、2020年度はコロナ禍の影響があり、現地での対応が難しい状況だった。同様に、「異文化コンピテンシー尺度の開発」を進めるために、海外在住の調査対象者(A大学院卒業生)へアンケート調査を計画していたが、昨年度のコロナ禍の状況からアンケート回収率が非常に低くなる可能性が予想された。従って、ある程度コロナ禍の状況が改善されたのを見極めたうえで、アンケート調査を行うことにした。③2019年度に調査対象者の確保のため、本学の大学生にアンケート調査ができるように研究倫理審査申請書が受理され、2020年度にアンケート調査を行う予定だった。しかし、オンライン授業による学生の負担増があり、アンケート調査の実施を2021年度に延期することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は2020年度の研究課題の遅れを取り戻すための推進方策が必須となる。具体的な研究活動内容に関して研究計画と照らし合わせて、2021年度については、①異文化コンピテンシー尺度の完成、②国際人材開発の応用への着実な推進を図ることがあげられる。推進方策は以下となる。 ①異文化コンピテンシー尺度の完成。3つの異なる区分・地域の研究対象者に対してデータ収集と分析を実施する。(1)春学期に本学の学生にアンケート調査を実施する。(2)秋学期に海外在住のA大学院卒業生にアンケート調査を実施する。(3)春学期にタイ在住の大学院生とインドネシアの大学教員の協力者に、再度調査依頼し、秋学期にタイとインドネシア人を研究対象者としたアンケート調査を実施する。尚、これら2か国の研究対象者のデータ収集は、追加的な措置である。これら(1)、(2)、(3)のデータ収集と分析により、異文化コンピテンシー尺度の完成を図る。 ②国際人材開発の応用への推進。国際人材開発の応用は、異文化コンピテンシー尺度の完成後に実施するので、着実に実施するために、次の3つの方策を行う。(1)タイ語とインドネシア語のアンケート調査の翻訳を完成させるため、上記のタイとインドネシアの協力者に、再度調査依頼する。コロナ禍の状況で、受諾困難な場合は、国内の翻訳家に依頼する。(2)秋学期にK社に日本とインドネシアにおける研究協力の確認をする。当初予定していたA社への研究調査協力の再度の依頼は、異文化コンピテンシー尺度の完成とコロナ禍の状況を見極めながら、判断する。 ③研究論文の執筆と投稿。2020年度に分析したデータにもとづいて、「異文化コンピテンシー尺度」及び、「異文化フレキシビリティー」の論文執筆し、専門誌・国際学会に投稿する。
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Causes of Carryover |
当該助成金が生じた状況は、英語版アンケートを他言語(タイ・インドネシア語)への翻訳ができなかったことによる。2021年度における合算した助成金は529,060円(当初2021年度計画400,000円+当該年度の未使用額129,060円)である。使用計画は、他言語への翻訳料129,060円、英語論文校正料90,000円、日系企業(K社)海外現地子会社の出張旅費200,000円、セルフ型アンケートシステム料110,000円である。
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