2019 Fiscal Year Research-status Report
A study on the framework for quality management using open innovation
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19K01894
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 秀男 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (10282328)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Total Quality Management / Innovative Capability / Marketing Capability / Thailand |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、主に、TQMの枠組み、革新的能力の概念や評価について検討を行った。従来研究を踏まえて、TQM要素として、経営トップのリーダシップ、戦略的計画、顧客指向、測定分析とナレッジマネジメント、労働力(人的資源管理)、オペレーション(サプライチェーンを含むプロセス管理)を取り上げた。また、TQMと成果との間における中間的要素として、ガバナンス、革新的能力(Innovative Capability)、マーケティング能力(Marketing Capability)について検討を行った。さらに、成果指標として、財務成果と非財務成果の区分についての検討を行った。仮説モデルとして、6つのTQM要素→中間的要素(ガバナンス、革新的能力、マーケティン能力)→成果の因果関係のモデルを構築した。特に、TQM要素と革新的能力との関係、相互作用について着目している。2019年度においては、対象をタイにおける中小企業として、アンケート調査を実施した。タイの中小企業においてはガバナンス体制の構築が発展途上であることから、TQM要素とガバナンスについても注視している。上述の仮説モデルの構築について、17th ANQ Congress 2019 (タイで開催)にて発表を行った。 その後の進捗として、仮説モデルの検証のために、企業に対するアンケート項目を作成した。既に、タイの中小企業に対してアンケート用紙を発送し、回収を行っている。分析も開始している。分析結果、仮説モデルの検証とその成果発表を2020年度に行う予定である。さらに、日本企業の従業員や管理者を対象にしたアンケート調査を予定している。日本での調査においては、外部組織連携に関する要素も導入する。また、日本とタイにおけるTQM要素と革新的能力の関係性の比較分析等も行いたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
6つのTQM要素、ガバナンス、革新的能力、マーケティング能力、経営成果との間に関する仮説モデルの検討を行い、それらに基づくアンケート項目を既に作成している。また、タイの中小企業を対象に調査を開始している。仮説モデルの構築については、17th ANQ Congress 2019 (タイで開催)にて発表を行い、いくつかの有益なコメントをもらっている。オープンイノベーションについては、革新的能力の要素の中で検討している。以上のことから、研究の進展は、おおむね順調であると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、既に構築している、6つのTQM要素、ガバナンス、革新的能力、マーケティン能力、経営成果との間の関係性に関する仮説モデルと、それらに基づくアンケート項目に基づき、日本でのアンケート調査を実施する。なお、現在、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で企業への直接的なアンケート調査が困難な状況である。そのため、調査会社を利用して、対象の業種に勤務しているモニターに対してWeb 調査を行うことを検討している。日本における調査では、外部組織連携に関する要素も導入し、TQM要素との関係性を検証する。特に、新型コロナウイルス感染症拡大の対応として、外部組織連携の活動が増しているかどうか、その中でTQM要素が有効に機能しているかどうかについても検証したい。
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Causes of Carryover |
2019年度の助成金の範囲内で、日本での調査を効果的に実施することが困難であった。2019年度の残額(118,767円)を2020年度の助成金と合わせて、調査費用として使用する予定である。これにより、日本における調査が効果的に実施できるものと期待する。
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