2020 Fiscal Year Research-status Report
フランチャイズ組織における「意図せざる結果」の探求
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19K01896
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
犬飼 知徳 中央大学, 戦略経営研究科, 教授 (60380143)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フランチャイズ組織 / 意図せざる結果 / 競争と協調 / フリーライダー |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,2019年度の自動車メーカーとディーラーの関係性に関する調査データに基づき,現在1本の論文を投稿中,2本が投稿できる状況まで仕上がっている.現在はMaxQDAという質的データ分析を行うソフトを用いながら聞き取りデータやアーカイバルデータのコーディングを行いながら,事例研究に基づく理論構築を行っている作業を進めている.しかしながら,コロナの影響もあり今年度予定していた他の業界のフランチャイズ組織に関するフィールド調査がほとんど実施できなかったため,多様なフランチャイズ組織を比較する分析は多少進捗が遅れている.その一方で,オンライン会議システムを使ったインタビュー調査は実施しやすくなったため,その種の補完的な調査手段を用いてある程度の調査も促進することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は,2019年度に蓄積したデータに基づいてある程度研究をすすめることができたものの,当初の研究計画で予定していたところまでは達成することができなかった.それは,コロナの影響で,2020年度に実施を予定していたいくつかのフランチャイズ組織に関するフィールド調査計画の遂行が困難になったためである.また,学務におけるコロナ対応の職務が増加したことも影響し,当初計画していたエフォートを本研究課題に配分することも困難であった.ただし,フィールド調査対象企業との関係は継続しているので,コロナの状況下であっても遂行できる計画に変更し,実施したいと考えている.本年度は2020年度の遅れを取り戻すべく積極的な調査を遂行したいと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
コロナの収束が2021年5月現在では見通せないので,上述のオンライン会議システムを利用した聞き取り調査などを代替手段としてフィールド調査の補完を行って行きたいと考えている.また,これまでの成果を研究発表や投稿論文としてアウトプットしていきたい.2021年の5月現在では,2社ほどフィールド調査にご協力いただける企業があるため,調査研究実施に向け受入企業との関係構築に時間を使っていきたいと考えている.具体的には,フランチャイザーの意図の確認としての聞き取り調査と,フランチャイジー側の対応などを聞き取りとフィールド調査を中心として確認していきたい.また,中間報告的な内容になるかもしれないが,論文の執筆も随時進めていきたいと考えている.
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Causes of Carryover |
コロナの影響により,予定していたフィールド調査に使用する予定の予算,特に旅費関連が余っている.2021年度もコロナの状況に影響を受けるものの,2020年度に実施できなかった分のフィールド調査に使用する予定である.
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