2023 Fiscal Year Annual Research Report
An empirical examination of salespersons' value co-creation orientation
Project/Area Number |
19K01902
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小菅 竜介 立命館大学, 経営管理研究科, 教授 (80755471)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 営業 / サービスドミナントロジック / 顧客ドミナントロジック / TEA / 顧客の人生文脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、営業担当者の「価値共創志向」を概念化し、実証的検討を行うものとして開始された。2019年度には理論的検討を進め、S-Dロジックとともに顧客ドミナントロジック(C-Dロジック)に注目し、これを実現する方法論としてTEA(複線径路等至性アプローチ)を採用した。2020年度から2022年度にかけては、新型コロナウイルスの影響による調査スケジュールの遅延があったものの、TEAを用いた事例分析を通じて顧客の人生文脈が購買行動に影響を与えることを明らかにした。 さらに、営業担当者による顧客の人生文脈へのフォーカスについて、その先行変数や結果変数を検討するために、自動車、不動産、保険の3業種で約900名の営業担当者を対象として質問票調査を実施した。2023年度には、主に共分散構造分析を用いて得られたデータを分析し、営業担当者による顧客の人生文脈へのフォーカスが顧客成果に正の影響を及ぼすこと、また、この行動は主に共感性によって促されることが明らかになった。 以上より、C-Dロジックを営業に適用する意義、および顧客の人生文脈にフォーカスする営業アプローチの有効性が示唆された。ただし、包括的な尺度開発および業種間の差異に関する分析は今後の研究課題として残されている。 全体として、顧客および営業担当者のプロセスをより詳細に理解することで営業実践への貢献が期待されることから、本研究は科研費基盤研究(C)プロジェクト「顧客の価値実現を支援する営業の理論化と社会実装」(課題番号23K01573)へと発展することになった。
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