2021 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャルベンチャーのリーダーシップ特性と持続可能性に関する組織間の比較実証研究
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19K01904
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
松永 佳甫 大阪商業大学, 公共学部, 教授 (60325561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 祐 宮城大学, 事業構想学群, 教授 (20455554)
金谷 信子 広島市立大学, 国際学部, 教授 (20509062)
松島 みどり 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (20634520)
西出 優子 東北大学, 経済学研究科, 教授 (60451506)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 社会的企業 / 社会企業家精神 / CSR論 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はコロナ禍のため、アンケート調査を見送ったが、アンケート調査票を精査し、アンケート調査を代行する業者(NPO法人)を選定した。一方、社会的企業家は、何も社会的企業だけに存在するのではなく、営利企業にも存在すること、また社会的問題を解決する民間組織は、社会企業だけではないという視点から、アンケート調査が出来なくとも、民間公共の動向を探る方法として、営利企業が実践する企業の社会的責任(CSR)について研究を進めた。特にCSRへの取組が企業の財務パフォーマンスを向上させるという仮説を立て、東洋経済新報社のCSRデータと日本の上場企業の財務データを用いて分析した。ここでは、財務パフォーマンスの代理変数としてROEとROAを用いた。これらROEとROAを被説明変数とし、日本の上場企業が取り組む様々なCSR活動が、労働者の労働生産性(付加価値)に正の影響を与え、ひいては財務パフォーマンスを向上させるという連立方程式を構築し誤差項のみの相関を加味した、SURE(Seemingly Unrelated Estimator)と、誤差項の相関および労働生産性の内生性を加味した3SLS(Three Stage Least Square)Estimatorの手法を用いて定量分析を行った。その結果、メンタルヘルスへの取組と女性の労働者数の増加が上場企業で働く労働者の労働生産性を高め、ひいては財務パフォーマンスを向上させるということを実証することが出来た。この分析結果は第二回日本社会関係学会にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の影響により、社会的企業の活動に制限がかかり、社会的企業へのアンケート調査の実施を一昨年度、昨年度と見送った。そのためデータを入手できず、研究計画通りの実証分析を行うことが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、ヒヤリング調査の結果、通常通り事業を展開している社会的企業がほとんどであることが明らかとなったので、当初の研究計画に従い、アンケート調査を行ったのち、研究計画にあるアジェンダに従い、実証分析を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の為アンケート調査が実施出来たかった。そのため当該助成金が生じた。使用計画としては、アンケート調査用紙およびマークシート回答用紙の印刷、アンケート調査票の発送作業委託、マークシートの機械読み取りおよびデータ化のための費用に使用する。
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