2022 Fiscal Year Annual Research Report
企業と地域をつなぐ「学びの共同体」構築の研究ー介護施設の事例研究を中心に－
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19K01905
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| Research Institution | Kwansei Gakuin University |
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Principal Investigator |
松本 雄一 関西学院大学, 商学部, 教授 (10336951)
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2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 実践共同体 / 実学集合型実践共同体 / トランスディシプリナリー |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、実践共同体、組織内外に構築される学びのコミュニティが地域社会とどのようにつながるかというテーマであった。これまでの実践共同体研究は、その学習するテーマについて「関心のある」人々が集まり、同質的な集団として知識創造や学習を行うというものであったが、そのテーマに「関心のない」人々をどう巻き込んでいくかということについては課題が残っていると考えた。そこで「関心のない」人々を巻き込み、異質的な集団をどう学びのコミュニティとして構築していくかという問題意識を設定し、研究を進めた。
主要なリサーチサイトとして設定していた介護施設については、新型コロナウイルス感染症の影響で、調査することができなかった。そこで他のリサーチサイトを調査しながら、文献検討を進めることで、その代替にあてることにした。海外雑誌への論文投稿を進め、一部は採択された論文もあった。また人的資源管理論の観点から、企業における学習を促進するための概念として研究を進め、その結果としての著書も出版することができた。
本研究の活動によって明らかになったことは、研究者や企業人だけの同質的な実践共同体ではなく、研究者、企業人、行政、地域住民といった多様なステイクホルダーによって構築する実践共同体、「実学集合型実践共同体」(トランスディシプリナリー実践共同体)の有効性である。多様なステイクホルダーが協働して問題解決と学習に取り組むことによって問題解決を行う事例を扱うことで、その適切なマネジメントの重要性を明らかにすることができた。そして「関心のない」人々を巻き込む上で必要なのは、彼らの価値観を変える学習(変容的学習)を起こす「変容型境界物象」の設定の重要性である。本研究においては、今後の研究につなげるための理論的基盤をつくることができた。
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