2020 Fiscal Year Research-status Report
ファミリービジネス承継外子女起業家に関する探索的研究
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19K01908
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
川路 崇博 久留米大学, 文学部, 准教授 (90554246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姜 理惠 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (90570052)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ファミリービジネス / 承継外子女 / エフェクチュエーション / 起業家性向 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らが報告した、ファミリービジネス子女でありながら継承者から漏れている「承継外子女」の起業家活動への注目は皆無といってよい。国策として経営的・資金的な支援もほぼない上、研究も十分ではないといえる。そこで我々は承継外子女の特徴を探索することとした。 本研究の目的は、これまで不明であった承継外女子の起業家の特徴と成功要因を明らかにすることである。起業家の育成は喫緊の課題で様々な取り組みが熱心に行われているが、日本の新規開業率は米国比1/3以下と極めて低水準に止まる。いっぽうで起業家の親が経営者であったという調査もあり、承継外子女の起業ポテンシャルが伺える。 そこで2020年度は、2019年度に実施したインタビュー調査データの分析と成果の発表を実施した。分析の結果、承継外子女は独立志向が強く、エフェクチュエーションロジックの使用も活発であった。プリミティブなアイデア、またはなにもアイデアがない状態でも起業している。さらに家族の影響と、自分自身のビジネスに対する野心が強く、時には出身のファミリービジネスを克服することがキャリア目標となることも確認できた。 現時点では、以下3つの特徴を見出すことができている。1) キャリア選択に対し、非常に自律的な起業家的態度 2) エフェクチュエーションを用いてビジネスモデルを構築しながら起業する 3) ファミリービジネスをロールモデルと考え、それを乗り越えようとする意欲が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究発表は実施できたものの、分析とその解釈作業の遅れにより成果をまとめるまでには至っていないためである。
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Strategy for Future Research Activity |
データの分析作業は最終段階に入っており、この解釈とその成果発表を予定している。2021年度は最終年度にあたるため、積極的に対外発表を実施する予定である。すでに執筆仕掛かり分もある。 また、成果の信頼性を向上させるために追加のインタビュー調査と分析も予定している。特に現状福岡県内の承継外子女に限定していることから、他地域との比較も必要となる。
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Causes of Carryover |
見込んでいた旅費は、新型コロナウイルス感染症対応のために予定より少なくなった。不足している対面での打ち合わせを実施するために、ビデオ会議用カメラを購入している。その他として計上していた論文投稿費も国際会議のキャンセルなどのため使用に至らなかった。
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