2019 Fiscal Year Research-status Report
ASEAN市場における日独自動車部品メガサプライヤーの国際調達の比較研究
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19K01930
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐伯 靖雄 立命館大学, 経営管理研究科, 准教授 (60580389)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 真水の現調率 / 日独メガ・サプライヤー / ASEAN |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,わが国自動車関連製造企業が抱える(とりわけ新興国市場での)高コスト体質の是正に寄与しうる海外子会社での調達戦略上の課題を明確化し,競争力のあるコスト構造に転換するための方法論を提起することにある。具体的には,国際調達局面における品質とコストの新しい均衡点の探索である。とりわけASEAN市場における日独メガ・サプライヤーの比較に重点を置く。この目的に対し,当該年度は日系メガ・サプライヤーであるデンソーのASEAN統括拠点(タイ),事業子会社(マレーシア)への調査をつうじ,調達戦略の全体像を明らかにした。また,比較対象であるドイツのメガ・サプライヤーのうち,ボッシュとコンチネンタル(パワートレーン部門)の日本法人への調査をつうじ,日本法人がASEAN各国と密接な関係性を有することを明らかにした。 研究実施計画に対しては,概ね予定どおりの進捗となった。前述のように,2019年8月にはタイでの調査,2020年2月にはマレーシアでの調査を実施し,日系メガ・サプライヤーのみならず日系準大手部品企業,民族系企業にも訪問した。またマレーシアでは国民車メーカー最大手であり,ダイハツ工業と資本関係のあるプロドゥア,そしてトヨタ自動車と現地資本のJVにも訪問し,完成車企業視点からの分析も進めることができた。ドイツ企業についても,こちらも前述のとおり当該年度はボッシュとコンチネンタルの日本法人のヒアリングから着手し,次年度以降のASEAN子会社への訪問の道筋をつけることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前項で記載したとおり,予定していた海外調査を実施したのみならず,国内での補完的な調査も進めることができた。分析対象とする主要企業であるデンソー,ボッシュ,コンチネンタルはひととおり網羅した。また各社で次年度以降のASEAN子会社への調査依頼を済ませており,計画に基づく海外調査を進める所存である。 当該年度の研究成果については,2020年1月11日に開催された,2019年度第1回産業学会自動車産業研究部会・中部部会(於・立命館大学)において「日系自動車部品企業の東南アジア調達戦略」の研究報告を行った。ここでのフィードバックを次年度での調査・研究に活かしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の進捗はおおむね順調に進展しているため,当初の研究計画どおり,次年度も2回程度のASEAN調査と国内調査の実施,並びに研究成果のペーパー化(所属機関紀要を予定)と学会報告(産業学会自動車産業研究部会・中部部会を予定)を各1で進める。 しかしながらCOVID-19の影響により,調査,とりわけ海外調査の見直しをする必要が出てくるものと予測している。これらの挽回については,パンデミックの収束を見てからでは判断が難しいため,現時点では計画の変更の際に研究エフォートを引き上げることで対応するつもりでいる。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により2020年1月から3月の間に予定していた国内企業調査のための出張が取りやめになったため。当該出張は2020年度に移行し予算執行する。
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Research Products
(2 results)