2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on governance and support systems in diversified social enterprise
Project/Area Number |
19K01932
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
橋本 理 関西大学, 社会学部, 教授 (60340650)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 社会的企業 / 協同組合 / NPO |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域社会が抱える複合的な課題の解決にとりくむ社会的企業のガバナンスのあり方と支援システムの提起を目的としている。 本年度には、社会的企業に関する理論分析や最近の世界での研究動向の分析、協同組合による高齢者介護・生活支援の現状の分析、協同組合における社会福祉経営の理論的分析を進めた。 また、昨年度同様、covid-19の影響により、聞き取り調査が困難な状況が続いたため、中小企業や協同組合の歴史をたどり、今日の社会的企業の取り組みに類するものを抽出して分析を試みた。 協同組合による高齢者介護・生活支援に関しては主として生協を対象とした実態調査を行った。その実態の詳細を明らかにし、取り組みの意義について考察した結果、生協では、生活者のくらしを総合的に支える生協の事業活動の蓄積を活かして、縦割りの制度のなかでは十分に満たされない人々の必要に応える仕組みをつくりだす工夫がなされていることが明らかとなった。人々の生活上の必要は制度の枠組みを越えて存在するが、その必要に対して生協では生活全般にわたる総合的な取り組みを活かした対応がなされている。生協の多角的な経営が生協の社会福祉経営に活かされている可能性が想定されるが、この点については実態を踏まえたさらなる分析が必要となる。 上記の実態調査およびその分析の成果の一部は、論文として成果発表したが、次年度以降も引き続き、研究ノートや論文、学会報告等によって成果発表を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度同様、covid-19の影響により、いくつかの聞き取り調査は延期せざるを得なかった。それらの実態調査は次年度に実施することを予定している。
|
Strategy for Future Research Activity |
covid-19の影響により、今後も聞き取り調査が困難な状況が続くことが予想されるが、状況が許す範囲で聞き取り調査を進めていきたい。また、実際に訪問して対面での聞き取り調査が困難な場合には、Web会議システムを活用した調査も試みたい。そのほか、協同組合や社会的な課題に取り組む中小企業の活動について分析を深め、本研究の課題である社会的企業のガバナンスや支援システムのあり方についての検討を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度中に予定していた調査のうち、covid-19の影響によって次年度以降に実施することになったものがあり、次年度使用額が生じている。 国内外での実態調査のために旅費および通訳・資料整理のための人件費の使用、その準備のために図書や文具等の消耗品費の使用、研究成果の公表のために旅費の使用を予定している。
|
Research Products
(1 results)