2021 Fiscal Year Research-status Report
社会的イノベーションの態度・採用ギャップ解消メカニズムと国際間比較
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19K01938
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森村 文一 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (80582527)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イノベーションデザイン / 社会的イノベーション / 節約イノベーション / サービスデザイン / 購買意思決定プロセス / 態度―行動ギャップ / イノベーションへの抵抗 |
Outline of Annual Research Achievements |
この研究課題では,消費者は社会的イノベーションに対して良い態度を持っているが,実際の採用には結びつかないという「態度-採用行動ギャップ」は,イノベーションのデザインによって解消できるということを明らかにすることを目指す。 2021年度の研究計画は,次の3つを達成することであった。1つ目は,「コストの知覚」「パフォーマンスに対するリスクの知覚」「既存の行動パターンとの置き換えが困難であるという知覚」という社会的イノベーションの採用行動を阻害する3つの要素と節約イノベーションデザインに関して,複数の社会的イノベーションを対象に追加調査を行ことである。2つ目は,文化的差異に関する文献調査,および,態度-行動ギャップ,社会的イノベーションや節約イノベーション,文化的差異に関する理論モデルの構築である。3つ目は,日本とドイツにおける問紙調査の実施である。 上記のうち,1つ目について,日本でも普及が目指されているモバイル決済サービスを対象とした質問紙調査を実施した。2つ目について,文化的要因がイノベーションの採用行動を阻害する要因に与える影響に関する理論モデルの構築が完了した。加えて,モバイル決済サービスの普及率が高い中国を対象に調査を実施した。このデータを基に,2022年に中国と日本のイノベーション採用と文化的差異に関する論文を国際ジャーナルに投稿する計画である。3つ目については,COVID-19の影響で,ドイツでの質問紙調査が実施できなかった。そこで,2022年度に日本・ドイツでのインターネット調査または実験室実験を実施する計画に変更した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも示した通り,2021年度の研究計画は,1)社会的イノベーションの採用行動を阻害する3つの要素と節約イノベーションデザインに関して,複数の社会的イノベーションを対象に追加調査を行う,2)文化的差異に関する文献調査,および,態度-行動ギャップ,社会的イノベーションや節約イノベーション,文化的差異に関する理論モデルの構築,3)日本とドイツにおける問紙調査の実施であった。 1つ目の計画について,社会的イノベーションの採用行動を阻害要因に関して,モバイル決済サービスを対象にした調査を行った。キャッシュレス決済の1つであるモバイル決済サービスは,様々な業種における実店舗等の無人化・省力化,支払データの活用による消費者利便性の向上など,社会全体の生産性向上に貢献する。そのため,日本でも戦略的政策として普及が目指されているが,普及率は世界的に見てまだ低い。そのため,イノベーションの採用行動の阻害要因について調べる対象としてモバイル決済サービスを選択し,質問紙調査を実施した。 2つ目の計画について,文化的差異と社会的イノベーションの採用行動を阻害要因についての理論的整理を行い,理論モデルを構築した。さらに,モバイル決済サービスは中国での普及率がかなり高い。そこで,中国においてインターネット調査を実施し,1つ目の調査データと合わせて,日本および中国におけるイノベーションの採用行動を阻害要因の影響について異文化間比較を行った。 3つ目については,COVID-19の影響でドイツでの質問紙調査が実施できなかった。そこで,2022年度に日本・ドイツでのインターネット調査または実験室実験を実施する計画に変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は,5年間全体で5段階に分けて進める計画である。4段階目となる2021年度は,次の2つを行う計画である。 1つ目は,「コストの知覚」「パフォーマンスに対するリスクの知覚」「既存の行動パターンとの置き換えが困難であるという知覚」という社会的イノベーションの採用行動を阻害する3つの要素を,節約イノベーションデザインが解消することについて,Home Energy Management System (HEMS)とモバイル決済サービスとは異なる他の社会的イノベーションを対象に調査を行う。なお,2022年度はじめに,2021年度の調査によって得られたデータの分析結果をまとめた論文を,国際ジャーナルに投稿する計画である。 2つ目は,ドイツやアメリカにおいて,イノベーションの採用行動の阻害要因および節約イノベーションデザインに関する異文化間比較を行うための質問紙調査または実験室実験を行う。COVID-19の影響で,2020年に計画していたドイツでの質問紙調査を実施することができなかった。そこで,これを2022年度実施に変更すると共に,実施方法も柔軟に変更できるように再検討する。
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Causes of Carryover |
研究成果を発表するための学会がオンラインに変更されたことと,ドイツにおける調査実施および研究打合せのための渡航ができなかったこと,共同研究者が来日し開催する研究成果作成のための打ち合わせが,COVID-19の影響ですべて延期となった。次年度使用額については,1)2022年度に行う海外における調査実施および研究打合せの渡航,2)2022年度に海外ジャーナルに投稿する際の英文校閲費用,に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)