2019 Fiscal Year Research-status Report
Empirical Analysis of the Impact of Really New Products on Market Emergence
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19K01953
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
西本 章宏 関西学院大学, 商学部, 准教授 (10613185)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 市場創造 / 革新的新製品 / デジタルトランスフォーメーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、新たな市場を創造する可能性を秘めている革新的新製品がどのように消費者に受容されるのかを検証することで、消費者行動研究の視点から、市場が創造されるメカニズムを明らかにすることである。 令和元年度は、以下3つ研究活動を行った。1つ目の研究活動は、革新的新製品と市場創造に関する先行研究レビューである。デジタル技術の急速な発展によって、マーケティング研究においても、革新的新製品と市場創造に関する先行研究が次々と発表されていることが明らかになった。本研究では、それら全てを網羅的にレビューし、研究目的ごとに整理を行った。 2つ目の研究活動は、実務家を中心に革新的新製品と今後の市場創造に関する展望についてインタビュー調査を行った。調査対象者は、先進的な市場トレンドを追跡しようとするマーケターの方々である。多種の業界にわたりインタビュー調査を行うことで、業界ごとの課題がありつつも、革新的新製品の開発を含むデジタル化への対応が急務であることを再認識させられる機会となった。 3つ目の研究活動は、事前調査である。本研究では、革新的新製品による市場創造の中でも、キャッシュレス決済の市場創造を調査対象とした。令和元年度は、前年度にキャッシュレス決済事業者が大規模なキャンペーンを次々と展開したこともあり、キャッシュレス決済が多くの人々の日常生活の中に浸透した好機でもあった。そこで、本研究では、革新的新製品(新技術)がどのように消費者に受容されるのかを明らかにするための調査デザインを開発するために、キャッシュレス決済を調査対象とした事前調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り研究活動が遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、前年度の研究成果を踏まえ、①消費者の結合推論に着目した実証研究と、②消費者の認知的構造化欲求に着目した実証研究が研究活動の中心となる。第1実証研究は環境操作型の被験者間実験計画を、第2実証研究はインターネットによる消費者調査を行う予定である。それぞれの実証研究が完了した段階で、国内の学会で研究成果を報告したい(5~6月頃と10~12月頃)。そして、それぞれの実証研究について、国内のレフェリー付き雑誌に論文として投稿する予定である。 令和3年度は、前年度の研究成果に加え、③消費者の製品カテゴリー知識に着目した実証研究と、これまでの研究成果をまとめ、著書を出版することが研究活動の中心となる。第3実証研究においては、ビッグデータ分析を行う予定である。なお、ビッグデータ分析が完了し、分析結果から仮説検証を行った段階で、これまでの研究成果をまとめ、国際学会にて成果報告を行いたい(5~6月頃)。そして、海外のレフェリー付き雑誌に論文として投稿する予定である。さらに、これまでの研究成果をまとめて、「革新的新製品による市場創造戦略」に関する著書の出版を目指す。
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