2021 Fiscal Year Research-status Report
Impression Evaluation of Similarity and Imitation in Product Design
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19K01960
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
坂本 和子 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 教授 (50379070)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | デザイン / 類似 / 模倣 / 消費者嗜好 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は製品デザインに内在する類似あるいは模倣について、それらの文化的背景や消費者の印象評価を考察するものである。 具体的には①どのようなデザイン要素が消費者に類似とみなされ安心感や親しみなどのプラス性向、あるいは全く対照的なモノマネやコピー、模倣といったネガティブな印象となるのか-消費者の類似に対する許容範囲や認識尺度を開発する。②それらが製品カテゴリーや国(地域)によってどう異なるのか比較分析する。③製品デザインは「国」というフィルターを通してどう変容していくのかを検討する、という3つの項目で構成するものであったが、コロナによる影響から②、③の中心活動となる海外調査等の実施が困難となっていたため、本年度も予定を変更して文献調査を中心に実施した。 また、昨年度に実施した調査を再度行い、商品の類似に対する意識調査を時系列分析した。調査は大学生・大学院生183人を対象に、使用場面とデザインパターン数が異なるジャケット、ディパック、パソコン、スマホ、マグカップ、炊飯器、空気清浄機、フライパンの8アイテムとした。昨年同様にこれらのアイテムのうち、周囲の人とかぶったとき、嫌悪感を抱くのは、ジャケットやディパックといったファッションアイテムであり、公的場面で使用するものほど、類似に対するコミットが強いことが示された。 加えて、類似性の視覚的な原点を探るため、VTS(Visual Thinking Strategy)の手法を用いて、3人の大学生を対象に絵画鑑賞の際に現れる類似を手掛かりとする解釈や印象評価等についての実験を3回にわたって実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年もコロナウイルス感染拡大に伴う海外出張等の規制のため、予定していた実験や調査票調査、観察調査、訪問調査等の研究活動が滞っている状況である。調査対象国であるオランダの研究協力者(デルフト工科大学)との交流ができず、さらに個人的理由から所属機関を異動することになり、研究活動に支障をきたしたことも影響した。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルスの感染状況により、渡航の可能性が見込める段階で、現地(オランダ)での調査を実施するが、難しい場合は国内調査のみで可能な知見導出を目指し、プロジェクト終了以降の課題としたい。 昨年同様、コロナウイルスの影響で海外出張にかかる費用(海外調査経費と学会発表)として支出できなかったため、次年度は遠隔調査での実施を検討し、ネット環境の整備とともに、調査会社への費用などに使用する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの影響と、所属機関の異動に伴うエフォートの制約などにより、海外出張にかかる費用(海外調査経費と学会発表)が支出できなかったことによる。 次年度は遠隔調査での実施を検討し、ネット環境の整備とともに、調査会社への費用などに使用する見込みである。
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