2021 Fiscal Year Research-status Report
ニューロ解析による友人レコメンドの影響因子特定とメカニズム応用
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19K01964
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
中口 哲治 江戸川大学, 社会学部, 教授 (50592705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 英土 江戸川大学, 社会学部, 教授 (40327242)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 価値観共有 / 暗黙知 / 潜在認知 / ニューロマーケティング / 認知心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年のファッション業界において、企業やブランド内で注目されているのが、インフルエンサーらの発信するSNS画像(インスタグラム)である。これらの画像を友人同士で見る、評価し合うことで、言語や暗黙知に変換され共通了解・価値観共有へと昇華、結果として選好・選択行動(商品購入、サービス授受、イベント参加)に繋がっている。本研究では、企業やブランド、インフルエンサーらが発信する画像が、一人ではなく友人間でどのように共有・推奨(レコメンド)され、選好・選択行動(商品購入、サービス授受、イベント参加)へと結びついていくのかを、視線の偏りと脳血流の関係性という客観評価を伴うニューロ解析手法を使って解明していく。 本研究は、平成25年度より科研費助成事業の補助を受けて研究した前研究=[感覚的表現による価値観共有構造の解明とモデル開発]の続編という立場をとる。インタビューやアンケート等の主観評価を主軸とした前研究では解明することができなかった「友人などの第三者の介在による画像情報と共感、推奨 (レコメンド)の関係性」を客観性が伴う、脳科学や心理学的な実験アプローチによって明らかにするものである。 令和2年3月から令和4年2月までの間、新型コロナ感染抑止に伴う対面実験の自粛によって、当初計画1年目に予定していた「友人間推奨(レコメンド)画像確保を狙いとする女子学生、読者モデルらへのインタビュー」及び計画2年目と計画3年目の「インフルエンサー及びペア学生を活用した脳科学系実験(NIRS-アイトラッカー活用)」が実施できない状況が生じた。計画3年目の後半は、脳科学実験の本格実施に向けて、レンタル実験機器のデモ依頼、発注、周辺機器の購入設置、最適なオペレーションの精査並びに女子学生15組、業界インフルエンサー15組のペア被験者のキャスティング、実験日の調整と確定に注力するという流れで研究を推進している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は前研究=[感覚的表現による価値観共有構造の解明とモデル開発]の続編という立場を取っているのは概要でも述べた通りである。進捗状況であるが、計画1年目に予定していた「友人間推奨(レコメンド)画像の確保を狙いとした女子学生、読者モデルらへのインタビュー」はwebインタビューに変更して実施し、実験用SNS画像(マスター)はセットを完了した。さらに1200人強の女子大生にインターネット調査を実施し、構造因子特定化に向けたローデータの収集を行い、その有効性に関する精査も終了している。また、計画2年目と計画3年目の中核的研究項目である「対象被験者を時間差で集めて行う脳科学系実験(NIRS-アイトラッカー活用)」を2021年1月から3月、4月から9月に行う予定であったが、同期間に緊急事態宣言が発令されたため、全ての動きがペンディング状態となった。これらの状況を総合的に勘案し、「進捗状況→(4)遅れている」と報告する。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、女子学生、読者モデルらへのWebインタビューで抽出したSNS画像(マスター)を実験プログラムに組み入れ、レンタル機器への接続準備を行う。次に、女子学生30人、業界インフルエンサー30人を実験場所に時間差で集めるスケジュールを確定させる。同時に機器のレンタル発注も行う。 それらの体制が整った上で、計画2年目と計画3年目の研究項目=対象被験者に対して「実験用SNS画像(マスター)を本人と友人が見たときに起こる視線の偏りと脳血流がレコメンド前後でどのように変化しているか」をNIRS・アイトラッカーの組み合わせによる脳科学系実験を行って客観データを収集。主題となっている「友人レコメンドの影響因子特定化」に向けて、様々な分析を行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
4回に及ぶ緊急事態宣言と2度の蔓延防止措置によって、計画2年目と計画3年目の研究項目である「SNS画像を本人と友人が見たときに起こる視線の偏りと脳血流がレコメンド前後で変化するかをNIRS・アイトラッカーの組み合わせによって解析する脳科学系実験」が実施出来なかった。計画3年目の実支出額の項目に本件に係る人件費・謝金、実験機器のリース・レンタル料が全く含まれていないため、220万円強の差額が発生している。本研究期間の特別延長を受け、計画2年目と計画3年目の脳科学実験を実施して、差額を使用する予定である。これらの経費を活用することで、「友人レコメンドの影響因子特定化」という主題解明に向けて、様々な角度から解析を行なっていく。
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