2023 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロ解析による友人レコメンドの影響因子特定とメカニズム応用
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19K01964
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
中口 哲治 江戸川大学, 社会学部, 教授 (50592705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 英土 江戸川大学, 社会学部, 教授 (40327242)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 価値観共有 / 暗黙知 / 潜在認知 / ニューロマーケティング / 認知心理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、企業やブランド内で注目されているのが、インフルエンサーらの発信するSNS画像やYouTube動画である。これらの画像・動画を友人同士で見る、評価し合うことで、言語や暗黙知に変換され共通了解・価値観共有へと昇華。結果として選好・選択行動(商品購入、サービス授受、イベント参加)に繋がっている。本研究では、インフルエンサーらの画像・動画が、一人ではなく友人間でどのように共有・推奨(レコメンド)され、選好・選択行動(商品購入、サービス授受、イベント参加)へと結びついていくのかを客観評価を伴うニューロ解析手法を使って解明していく。 本研究を進めるにあたって、新型コロナ感染症が蔓延した令和2年3月から令和4年2月までは対面によるアンケートや実験ができなかった。その間は、友人間レコメンドに影響する共感や価値観共有の構造解明に向けて、女子大生を対象としたネット調査(n=1422)による共通因子間の検証を加えるという研究手法の一部変更を行なっている。コロナ後となる令和4年11月、女子学生13組のペアによる友人間レコメンド実験(NIRS-アイトラッカー活用)」を実施し、動画視聴中の視線及び特定脳部位(VLPFC、DLPFC)の脳血流(ヘモグロビン量)を測定した。令和5年度は前年度に取得したデータを用いて、レコメンド前後の脳血流変化と注視動線の相関等を分析した上で、レコメンドを誘発させる要因=影響因子の特定化に関するアプローチを行なった。 結果として、親しい友人からレコメンドされた商品やテクニックの動画部分において、注視量が増大し、同時に特定の脳部位の血流量が増加するという傾向がみられた。このことはレコメンド影響因子に友人間の親密度、視線と脳血流が関与していることを示唆している。但し、それ以外の想定影響因子である社会性向や共通記憶等については十分な追跡ができておらず、更なる検証が必要となった。
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