2023 Fiscal Year Annual Research Report
自動車部品のグローバル調達における高度なロジスティクス体制の構築と進化
Project/Area Number |
19K01977
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 秀和 関西学院大学, 商学部, 教授 (30368451)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自動車産業 / 部品調達 / 生産ネットワーク / ロジスティクス / 在庫管理 / 新興工業経済地域 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、需要変動が激しく、かつ在庫費用が莫大な自動車産業において、国内外の遠隔地に立地する組立工場に対して、部品サプライヤーがどのように空間的懸隔を克服しJIT生産を達成しているのか、各メーカーおよび調達物流を担う物流企業のロジスティクス戦略に着目し、ヒアリング・現地調査およびデータ分析を通じてその仕組みを明らかにすることである。 2023年度は、以下の2点を行った。 (1) (2022年度からの継続で)日本国内の遠隔地に立地の組立工場を対象に、部品調達における輸送手段選択(モーダル・チョイス)に関する事例調査結果を纏めた。具体的には、自動車組立メーカーによるフェリー・RoRo船(内航海運)の利用は、当該サービスの利用可能性やその頻度よりも、荷主(この場合、組立メーカー)の在庫戦略や生産システムに制約されることを示した。本論文の改訂を行い、国際学術雑誌に投稿した(現在は査読中)。 (2) (同じく2022年度からの継続で)欧州を拠点とする自動車組立メーカー2社を対象に、フランス・セーヌ川下流に位置する自動車部品混載センター(Parts Consolidation Centres: PCC)から新興国組立工場への部品調達に関する事例調査結果を纏めた。具体的には、自動車生産における技術革新や自動車の電動化を通じて、貨物輸送が高度化する機会をPCCが提供することを検証した。本論文の改訂を行い、学術書の一章として掲載された。
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