2022 Fiscal Year Annual Research Report
出産関連自費医療の評価にむけた需要者視点のWTPと家事育児仕事の取組み
Project/Area Number |
19K01978
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Research Institution | Professional Institute of International Fashion |
Principal Investigator |
菅 万希子 国際ファッション専門職大学, 国際ファッション学部, 教授 (10612989)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 産後ケア / 産後鬱 / フェムテック / 女性特有の健康問題 / ストレス / 出産関連自費医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、出産関連自費医療の評価にむけた需要者視点のWTPと家事育児仕事の取組みを分析することであった。現在の出産後のケアの医療評価の分析は、WTP(支払い意思額)からもニーズ調査の分析結果からも相当に低かった。最終年度では、家事・育児・仕事の評価など、これまでの調査結果を分析し、まとめとしてさらにグループインタビュー、自由回答調査、大規模質問紙調査を行った。調査結果をAI(PLSA)を用いて分析を行い、抽出されたクラスターでベイジアンネットワークを構築した。その結果、この研究を通した解決すべき課題であった産後鬱(ストレス・イライラ)を目的変数とし、関係の深い身体的変化の変数との因果ダイアグラムを策定することができた。これらの身体的変化は、一時的なものもあるが、長期にわたり残ることもあり、不定愁訴とよばれる症状も多い。現在の産後ケアはほとんどが産後数か月までであり、医学的問題をもつ者を対象としている。また、肌荒れやシミなどは産後ケアの対象とはされていないが、ベイジアンネットワークの因果ダイアグラムをみると、産後の女性にとっては身体的負の大きな変化としてとらえられているのか、目的とするストレスやイライラとの関係も深い。これらの継続的な変化を長期的にケアする立場が必要である。今後、出産は病気ではない女性特有の一連の健康問題(フェムテック)として長期的にとらえられ、そこには医学的な問題ではない身体的変化も含めて、医学以外の領域と連携をとりながら、引き続き研究されるべきであると考える。
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