2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K01981
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
新井 康平 大阪府立大学, 経済学研究科, 准教授 (30550313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 剛好 中央大学, 商学部, 准教授 (60610201)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生産管理会計 / リーン会計 / 会計知識 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,研究の初期段階として,現在の生産管理会計現状と課題を総括した書籍を作成した。科研費は,主にこの総括作業に使用された。この書籍は,2019年12月に脱稿し,2020年3月に,メルコ学術振興財団より出版助成100万円獲得し,出版する運びとなった。この書籍内で主張される,本科研費の研究実績の主たる内容は,次のようなものである。 それは,生産現場における管理会計において,伝統的な原価計算ではなく,工程などの部門単位での損益計算が重要な役割を果たしつつある,というものである。特にトヨタ生産方式やJIT生産システムなどの,いわゆるリーン生産において,個々の製品原価情報が「在庫を許容する」計算構造ゆえに組織にもたらす経済的な逆機能(副作用のようなもの)が顕在化し始めているのかもしれない。そして,その解決策として,製品単位での原価を計算するのではなく,損益計算を軸とした代替的な管理会計手法が国内外で多発的に提案されている。本書では,このような主張を実証的に裏付けている。 (出版助成サイト)http://melco-foundation.jp/wordpress/wp-content/uploads/taisyousyaichiran_20193.pdf
また,会計知識に関連する研究として,組織学習に関する調査に参加した。これは,国内のコンサルタント企業などでの組織学習の進展についての調査であり,査読付きの海外ジャーナルに2本の論文が掲載されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は,予定通り総括書籍の出版の見通しがたつこととなった。次年度移行は,この書籍をもとに企業への訪問調査などを進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度:書籍の出版作業,中小企業管理会計の実態調査,企業への訪問調査 2021年度:大阪府の工場を対象とした大規模調査 2022年度:実務へのフィードバック,フォローアップ調査 2023年度:論文化,報告書籍の執筆
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Causes of Carryover |
必要機材について,予定より安価に購入できたため次年度使用額が生じた。次年度は質問紙調査などが必要なため,その資金に充当予定である。
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Research Products
(3 results)