2023 Fiscal Year Research-status Report
トランスナショナル企業のイノベーションと組織間マネジメントシステムの適合性の研究
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19K01984
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金 宰ウク 広島大学, 人間社会科学研究科(社)東千田, 講師 (50599264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺田 孝幸 桃山学院大学, 経営学部, 教授 (10143132) [Withdrawn]
塘 誠 成城大学, 経済学部, 教授 (80320042)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | トランスナショナル企業 / マネジメント・コントロールシステム / イノベーション / 組織間マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本企業のグローバルネットワーク構造形成過程を、企業組織間の関係構築、維持、強化の観点から、トランスナショナル企業を対象に、企業が如何に持続的成長とイノベーションを促しているかを管理会計的マネジメント・コントロールシステムから検討し、分析することを目的にしている。 該当研究期間においては、関連する先行研究の検討から得られた知見をもとに、企業システムと企業文化が如何に影響し、企業のグローバルネットワーク形成活動における戦略的意思決定行動にどう影響を与えているかなどについて検討をおこなった。 研究から得られた知見は次の2点である。1.企業のイノベーションを目的にするネットワーク形成は、企業文化と企業の組織的多様性に対する態度などが影響し、成果に結びついている。2.企業における企業文化や組織の多様性によって起因する課題は、企業の方針、ミッションの共有と浸透によって、調整可能である。 なお、その際に課題となる企業本社によるグローバルネットワークの管理と統制問題は、特に、企業のイノベーション活動に関する戦略的方針などによってことなることを明らかにしている。とりわけ、イノベーション活動の幅と深さを両立させることが困難であり、企業においては、イノベーション活動の幅が比較的に広い企業は、相応の費用をグループ企業のネットワーク構造内の関係会社に負担し、それを売上高の比率を高めることで調整している可能性について知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた質問票によるアンケート調査がコロナ禍の状況で実施が遅れていたが、当該年度において、日本企業を対象に質問紙調査を実施し、予定していた数のデータを集めることができた。現在は、収集した企業データを利用し、当初予定していた研究成果をあげるために、論文執筆と学会での報告などのために取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に実施したアンケート調査データを活用し分析に取り組んでいる。分析の結果は、国内外学会(Academy of International Business,Asia-Pacific Management Accounting Associationなど)での報告と学術論文(Asia-Pacific Management Journal, 管理会計学など)としてまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響で当初計画より研究が遅れた。その影響で実施できなかった国内外の学会報告と論文執筆のための経費として研究費を使用する予定である。
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Research Products
(6 results)