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2019 Fiscal Year Research-status Report

日本企業におけるCVC投資の実態調査とCVC関連情報開示モデルの提示

Research Project

Project/Area Number 19K01987
Research InstitutionYokohama City University

Principal Investigator

中條 祐介  横浜市立大学, 国際商学部, 教授 (40244503)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
KeywordsCVC / 財務報告 / 中期経営計画 / 非財務情報
Outline of Annual Research Achievements

研究初年度である2019年度は、国内外のCVC投資関連の先行研究のレビュー、実証研究に向けたデータベースの構築、企業の担当者に対するインタビュー調査を中心に進めた。まず、先行研究のレビューを通じて、CVCの設立形態と投資目的から、社内組織か社外組織か、事業シナジーないし戦略的リターン重視か財務リターン重視かの4ケースに整理し、リサーチデザインを構想しているところである。
実証研究の基盤となるデータベースについては、報道等によりCVC投資を実施したことが判明した企業を抽出し、これらのCVC投資の目的、投資規模、投資を行うステージ、CVCファンドの運用期間に関するデータを収集している。その一方で、CVC投資の成果である事業シナジーや戦略的リターンを何によって測るのか、投資期間が長期にわたることの多いCVCの財務リターンを何によって測定するのかという課題も抱えているものの、データベースの完成に向けて作業を進めている。
最後に企業担当者に対するインタビューは、①大企業が設立したCVC、②アカデミアが設立に関与したCVC、③CVC投資を受ける側のVB、④CVCコンサルタント、⑤シェアオフィスを設けてCVCを支援する大企業、⑥大企業が社内組織として設立したCVCを対象に実施した。これらのインタビューを通じて、内部組織としてのCVCは戦略リターンを重視する一方で、意思決定のスピードが遅いという課題を抱えていることが分かった。一方、外部に設立されたCVCの場合は、意思決定のスピードは速いものの、有能な担当者のスカウトや本体組織との給与設定など人事上の課題を抱えやすいことが明らかとなった。
目下の作業は、前述の目的や成果が、どのように情報開示されているのかを整理しているところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

実証分析の基盤となるデータベースが完成に至らず、現在作業を継続していること、またCVC設立の目的である事業シナジーないし戦略的リターンの代理指標、財務リターンの代理指標に関する最終判断に至っていないこと、の2点から「(3)やや遅れている。」と自己評価した。

Strategy for Future Research Activity

まず優先事項は、【現在までの進捗状況】で挙げた2点の遅れを取り戻し、実証分析の基盤となるデータベースを完成させることである。なお、分析を進める中で、必要な財務・非財務情報は鋭意追加していく。
このデータベースを用い、企業の開示行動や情報効果の分析に着手する。併せて、事
例研究の蓄積を図るため、企業担当者へのインタビューも継続して実施する。これらの成果を、「日本企業におけるCVC投資に関する実態調査」、「CVC関連情報の開示に関する実態調査」としてまとめ、公表していきたい。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由は、2016年度より開始した研究プロジェクトが2019年度にずれ込み、本研究課題への本格着手が遅れたことが第1の理由です。もう一つの理由は、2019年度より勤務先の理事・副学長に就任したことにより、研究時間が相当に圧迫されたことがあります。
以上により発生した次年度使用額については、前年度の研究の遅れを取り戻すため、効果的に使用してきたいと思います。具体的には、データベースの完成をスピードアップするために、市販のデータベースで代替できるものは代替させていきたいと思います。また、コロナ禍の中で作業補助者を募ることは難しいですが、可能な範囲で作業補助者の協力を得ながら研究の進捗を速めつつ、適正に執行していきたいと思います。

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Published: 2021-01-27  

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