2021 Fiscal Year Research-status Report
日本企業におけるCVC投資の実態調査とCVC関連情報開示モデルの提示
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19K01987
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中條 祐介 横浜市立大学, 国際商学部, 教授 (40244503)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オープンイノベーション / CVC / 非財務情報 / 自発的開示 / ディスクロージャー |
Outline of Annual Research Achievements |
企業情報のディスクロージャーについては、伝統的な財務情報に加えて非財務情報の拡大が進んでいる。非財務情報のうち、企業の中長期的な価値創造に影響を及ぼすと考えられるオープン・イノベーションの一種であるCVC関連の情報開示に焦点を当て、これが有価証券報告書でどのように開示されているのかという現状分析と、そこから見えてくる課題の提示を行った。 2001年1月1日から2021年10月13日までの期間で、有価証券報告書において「CVC」または「コーポレート・ベンチャー・キャピタル」を含む記載を検索したところ、2003年度より記載が登場し始めるものの、2019年度で35社、2020年度は31社にとどまっていた。また、CVCが自社の成長に果たす役割等についての記載は十分とはいえず、量的にも質的にも改善の余地があることが明らかとなった。 この種の非財務情報を質的に改善させていくためには、開示による効果を検証するアカデミアの役割と、その結果に向き合う情報作成者との協創が重要であることを指摘した。 また、COVID-19の影響を切り口に、日本企業の経営計画策定上の課題を考察した。その結果、環境変化に対応した計画の修正等が、企業内部のみならず、外部に対しても開示が求められるようになってきていることを明らかにした。また、計画値の修正のほかに、中期経営計画の見直しや取り下げといったケースも散見されたことから、Postコロナの経営計画の課題として、「想定外の事象にどう取り組むか」、「計画値ファーストの弊害」、「経営計画は企業のありたい姿を示しているか」の3点を指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の収束の見通しが立たない中、インタビューや研究会等のスケジュールが定まらず研究内容のブラッシュアップの機会が制限されていること、解析用に購入したデスクトップPCが初期不良のため修理に5か月ほど要したこと、さらに本務校での臨時的な業務(研究科における新課程の開設準備、認証評価受審対応、中期計画策定準備等)の発生により、年度内完了が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施時期を除き研究実施計画に大きな変更はない。研究実施計画に基づき、日本企業におけるCVC投資の実態調査とCVC関連情報開示モデルの提示に向けて研究を推進する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の収束の見通しが立たない中、インタビューや研究会等のスケジュールが定まらず、研究内容のブラッシュアップの機会が制限されていること、解析用に購入したデスクトップPCが初期不良のため修理に5か月ほど要したこと、さらに本務校での臨時的な業務(研究科における新課程の開設準備、認証評価受審対応、中期計画策定準備等)の発生により、年度内完了が困難となったことが、次年度使用額が生じた理由である。 なお、現在のところ研究実施計画に大きな変更はないため、研究実施計画に基づき、予算執行していく予定である
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