2019 Fiscal Year Research-status Report
行政組織における業績管理システムの活用に向けた管理会計能力に関する探索的研究
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19K01997
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
目時 壮浩 武蔵大学, 経済学部, 准教授 (90548851)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 業績管理システム / 管理会計能力 / 業績指標 / 行政組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度においては,質問票調査設計のための予備的インタビュー調査とパイロットテストを実施する計画であった。研究期間開始後,早速に質問票の作成にとりかかる計画であったが,質問票の作成に先立っていくつかの組織に対して訪問調査を実施したところ,当初想定していた以上に業績管理システムに関わる行政職員の能力は担当業務や階層によって多様であることが明らかとなり,測定概念や測定項目の開発を綿密に行う必要性が認識された。また,質問項目や分析の精度を向上させる必要性があることから,執筆済みであった日本語原稿を英文に翻訳し,質問項目について海外研究者との意見交換を行ったが,測定概念や測定項目の精度,先行研究との関連性を明確にする必要性があるとの指摘を受けた。そこで,いま一度先行研究の整理と測定項目の開発に重きを置き,測定尺度について検討を重ねることとした。結果として,分析フレームワークの検討と測定尺度の開発に多くの時間を費やすこととなったため,当初予定していたパイロットテストの実施を年度末に先送りすることとした。年度末での質問票調査の実施に向けて質問票の作成を行っていたが,新型コロナウイルスの感染拡大に伴って,残念ながらパイロットテストの実施が困難となってしまった。調査票はすでに完成しているため,新型コロナウイルスの感染がある程度落ち着いた段階でパイロットテストを実施し,早急に質問票調査へ移行することとしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では,2019年度中にパイロットテストを実施し,予備的な分析を終える予定であったが,新型コロナウイルスの感染拡大に伴って,その実施が困難となってしまった。2020年の早期のうちに質問票調査を行う予定であるが,2020年6月時点でも感染の終息は見通せないことから,進捗状況としては遅れを取っている状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
調査票はすでに完成しているため,コロナウイルスの感染拡大の終息後早々に調査を実施する予定である。しかし,コロナウイルスの感染拡大が長期におよび,調査の実施が先延ばしとなるリスクも十分に考えられるため,質問票調査の実施に先立って実験研究の実施を模索している。実験室実験によって,業績指標の設定に関する仮想の状況を作りだし,本研究が想定している分析フレームワークに関する検証を試みたいと考えている.現時点では,2020年8月の夏休み期間中の実施を検討している。しかし,これについても,密の状態を回避するために,通常の実験研究で想定されているように被験者を実験室に集合させることは困難であるため,実施の方法については引き続き検討したい。
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Causes of Carryover |
当初2019年度に実施予定であった質問票調査のパイロットテストが新型コロナ感染症の感染拡大に伴って実施できなくなり,相当額を次年度に持ち越すこととしたため。
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Research Products
(4 results)