2021 Fiscal Year Annual Research Report
国民性および企業特性がIFRSの会計情報に及ぼす影響に関する国際比較研究
Project/Area Number |
19K02001
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
向 伊知郎 愛知学院大学, 経営学部, 教授 (20308761)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 企業特性 / のれん / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には、企業特性が会計情報に及ぼす影響について、のれんの会計を取り上げて検討した。のれんの会計に関する先行研究の多くは、事後測定の問題に焦点を当てて、償却及び減損アプローチと減損のみアプローチのいずれが意思決定に有用な情報を提供するかといった問題が検討されている。 そこで、第1に、事後測定の問題に焦点を当てて、減損のみアプローチが規定された過程およびその後の事後測定の方法に関する議論について検討した。検討の結果、IASBがのれんの償却処理を再導入することは、国際財務報告基準(IFRS)を設定する基本的な考え方から問題であり、かつIFRS間の整合性に問題を生じさせることから、減損のみアプローチを維持しながら開示の充実によって財務報告の目的を達成する必要があることを明らかにした。 次いで、先行研究の多くが事後測定の問題に焦点を当てて研究しているが、当初認識の問題が十分に検討されていないことを問題として、当初認識が適正に公正価値測定されているのかについて検討した。M&Aを行う企業特性を変数として実証的に検討したところ、一部の企業において、のれんの当初認識が過大計上されていることが明らかになった。 今年度は、研究助成の最終年度であることから、のれんという個別の会計問題に焦点を当てて、企業特性が会計情報に及ぼす影響について、国際的に比較検討を行った。
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