2020 Fiscal Year Research-status Report
Empirical research on linkage between perfomance management system and risk management
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19K02003
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
河合 隆治 同志社大学, 商学部, 教授 (30368386)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 業績管理 / リスクマネジメント / マネジメント・コントロール / 管理会計システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、どのように企業が業績向上とリスク対応とを同時達成していくのかについてわが国企業の実態を把握し、そのメカニズムについて検討することを目的としている。本年度は、新型コロナウイルスの影響が大きかったために、本研究の概念整理に重きをおいて研究を進めていくこととなった。加えて新型コロナウイルスという危機に直面した企業の実態把握も進めた。具体的には、以下のような論文公刊、研究報告ならびに調査を行った。 第一に、昨年度日本原価計算研究学会の機関紙である「原価計算研究」へ投稿した、業績指標の設定に影響を与える要因について検討した論文が公刊され、日本原価計算研究学会(論文賞)を受賞した。 第二に、業績管理の基礎をなす、マネジメント・コントロールに関する文献を整理した論文が日本会計研究学会の機関紙である「会計プログレス」において公刊された。なお、マネジメント・コントロールに関する研究の整理は継続中である。 第三に、業績管理に関連して組織間管理会計についての先行文献についても網羅的に整理を行った。その成果の一部については、日本原価計算研究学会全国大会において報告を行い、報告内容について機関紙である『原価計算研究』へ投稿し、査読を通過した。 第四に、リスクマネジメントに関連して、未曾有の危機である新型コロナウイルスが企業経営に与えた影響について調査を行った。その成果の一部は「同志社商学」、「経営経済」において公刊された。この調査についても継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、新型コロナウイルスの影響もあり、事前に計画していたとおりに調査を実施することはむずかしかったが、先行研究の整理や、リスクマネジメントとの関係で、新型コロナウイルスの影響への企業の対応についての調査を急遽実施することができた。 本年度は、公刊した論文について学会賞を受賞したこと、新型コロナウイルスの影響下にもかかわらず、論文4本を公刊、学会報告を1回実施することができたことから、質、量ともに当初想定した以上の成果を残すことができた。 しかしながら、新型コロナウイルスの影響により、なかなかわが国企業の業績管理やリスク管理の現状へアプローチすることが十分にできなかった。 そのため、総合的に「おおむね順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響により、わが国企業における業績管理やリスク管理の仕組みが現在変化しつつあると推察される。そのため、新型コロナウイルスの影響する以前の知見のみに依拠して質問票調査を設計することは大いに限界がある。また質問票調査を実施したとしても、新型コロナウイルスの影響が落ち着かない状況では質問票の回収率が低くなってしまうことが危惧される。 そこで、本年度も引き続き、協力していただける企業を対象としたインタビュー調査を進めることによりわが国企業の実態を把握しつつ、現状にあった質問票調査を慎重に設計していく。
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Causes of Carryover |
本年度は新型コロナウイルスの影響により計画していた企業調査を十分に実行することができず、予定していた海外大学での研究報告をすることができなかった。新型コロナウイルスの影響が落ち着き次第、インタビュー調査および海外大学への出張を実行する。
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Research Products
(5 results)