2021 Fiscal Year Research-status Report
Empirical research on linkage between perfomance management system and risk management
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19K02003
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
河合 隆治 同志社大学, 商学部, 教授 (30368386)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 業績管理 / リスクマネジメント / マネジメント・コントロール / 管理会計システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、企業がどのように業績向上とリスク対応とを同時達成していくのかについて、わが国企業の実態を把握し、業績向上とリスク対応とを両立するメカニズムについて検討することを目的としている。昨年度に続き、本年度も新型コロナウイルスの影響が大きく、企業への調査を行うことがむずかしかったため、管理会計領域における業績管理およびリスクマネジメント研究の先行文献を見直すことにより、実態調査に向けた分析視点の整理を行った。具体的には、以下のような論文公刊ならびに研究報告を行った。 まず、ヨーロッパで発行された主要会計学術雑誌において2010年前後に形成された管理会計におけるリスクマネジメントの議論について事例研究に着目して整理し、その特徴について検討を行った。その検討内容は『同志社商学』にて公刊された。 次に、業績管理の基礎をなす、マネジメント・コントロールに関する研究が、海外文献ならびに国内文献においてどのように蓄積されてきたのかについて検討を行った。その成果の一部については、日本管理会計学会年次大会において報告を行うとともに論文を執筆し、国内査読雑誌に投稿中である。 そして、業績管理に関連して、昨年度から進めていた組織間管理会計の先行文献について整理を行った論文が『原価計算研究』にて公刊された。 さらに、これまでの研究蓄積を踏まえて、第47回日本原価計算研究学会統一論題において、わが国管理会計研究の方向性について提言を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も、新型コロナウイルスの影響による影響もあり、業績管理やリスクマネジメントに関する調査を企業に対して行うことはむずかしかった。 しかしながら、管理会計領域においてリスクマネジメント研究がどのように形成されていたのかを丹念に検討することができたことにより、今後調査するうえでの着目点が明確となったために、今後の調査が効率的に進むことが期待できる。 加えて、本年度も論文2本を公刊、学会報告を2回というかたちで成果を残すことができた。 そのため、総合的に「おおむね順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの影響が未だ存在するため、企業に対する影響が落ち着き次第、現状把握のためのインタビュー調査を企業へ打診していく。現状把握の過程で、わが国企業における業績管理やリスクマネジメントの仕組みが新型コロナウイルスの影響によって変化しているのかについて見極める。 現状把握したうえで、実情にあった質問票調査を慎重に設計し、実施する。
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Causes of Carryover |
今年度も新型コロナウイルスの影響により、わが国企業に対する実態調査や海外研究者との分析フレームワークに関する意見交換を実施することが困難であった。 新型コロナウイルスの影響が落ち着き次第、わが国企業を対象としたインタビュー調査、質問票調査、および、海外大学への調査を実行する。
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