2022 Fiscal Year Annual Research Report
Social and Environmental Accounting for Creating Shared Value
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19K02006
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
阪 智香 関西学院大学, 商学部, 教授 (10309403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
地道 正行 関西学院大学, 商学部, 教授 (60243200)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 社会環境会計 / 共有価値創造 / 探索的データ解析 / 会計ビッグデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、世界の全上場企業約10万社の会計データを用いた共有価値創造に関する探索的データ解析(Exploratory Data Analysis)の実施を継続するとともに、世界の非上場企業で会計データが入手可能な約2600万社を対象とした共有価値創造に関する探索的データ解析を開始した。非上場企業の会計データは、142GBの世界最大規模の会計ビッグデータであり、データの前処理とラングリングを行ったのち、GPGPU環境でPG-StromとRを連動させて、時空間の観点からダイナミックかつインタラクティブなデータ可視化(Data Visualization)を行った。 これらによって得られた知見を含め、研究期間全体(2019~2022年度)を通じて、世界の(会計データが入手可能な)全上場企業および全非上場企業に関する売上総額と分布、収益性分析(ROE)、安全性分析(自己資本比率)、生産性分析(一人当たり売上高)、付加価値分配、租税回避の蓋然性の実態、および、(上場企業については)社会環境問題への課題に対応するための企業のESG実績と企業業績との関係等について、様々な可視化手法を用いて示すことができた。これらの結果から、企業によるステークホルダーとの共有価値(付加価値)創造の実態とその分配の実態、10年間の時系列の変化を示し、特に上場企業において従業員への分配割合が世界的に低下していることなどを明らかにし、社会的観点から会計開示への課題を提示した。また、企業のESG実績が企業業績に関連していることを明らかにしたことで、現在注目されている環境社会情報開示に向けた証拠を示すことができた。なお、探索的データ解析の結果は、可視化にとどまらず、統計モデリングと実証分析を行うことでその有効性を検証した。また、これらの研究は、全ての工程において再現可能性を確保して実施した。
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Research Products
(22 results)