2022 Fiscal Year Research-status Report
地域的ネットワーク組織のマネジメントに資するメゾ管理会計モデルの研究
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19K02009
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高橋 賢 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (50282439)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ネットワーク組織 / アイドル・キャパシティ / 産業クラスター |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,ネットワーク組織におけるアイドル・キャパシティ・マネジメント問題について取り組んだ。間接費の配賦問題は,管理会計上古くて新しい問題である。間接費は,その発生原因から見るとキャパシティ・コストの性質を持っている。間接費を製品別に配賦してしまうと,キャパシティを効果的に管理することはできない。原価管理の視点からは,間接費は配賦をせずに総額で管理することが好ましい。一方,近年では,少子高齢化の進展に伴う内需の減退や労働生産人口の減少などといった社会環境から,1企業・1組織ではもはやアイドル・キャパシティの有効利用を図ることはできなくなっている。本研究では,東大阪市や大田区,京都に見られるような産業集積や各地で展開されている産業クラスター,とりわけ食料さん玉ラスターのようなネットワーク組織によって,アイドル・キャパシティを有効利用しているケースを取り上げた。これらのケースでは,組織の枠を越えた資源の相互活用によって,アイドル・キャパシティを有効利用していた。これはアイドル・キャパシティを有効活用するに留まらす,新しいイノベーションを創出していたというてんにおいても注目される事例である。21世紀では,個々の組織・企業はネットワーク組織を形成し,資源の相互活用によってキャパシティ管理をし,アイドル・キャパシティを有効活用しつつ,その制約を逆に利用してイノベーションを創出していくことが有効であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネットワーク組織におけるアイドル・キャパシティ・マネジメントのモデルを構築できたことに関しては大いに進捗したといえるが,コロナ禍の余波でフィールド調査が思うように進んでいないので,(2)という結果に自己評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナが5類に分類されるため,フィールド調査を再開する。モデルについては昨年度までに一応の目途を立てたので,ケースによる実証を試みる。
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Causes of Carryover |
本研究プロジェクトの期間は新型コロナウイルス蔓延があり,様々な外出規制等からフィールド調査や学会,研究会,打ち合わせ等の出張ができなかった。今年度は新型コロナウイルスが5類に分類されるため,フィールド調査を中心に研究を進めていく。
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Research Products
(2 results)