2019 Fiscal Year Research-status Report
ERM情報の価値関連性の分析:非財務情報研究とERM研究の統合
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19K02016
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
上野 雄史 静岡県立大学, 経営情報学部, 准教授 (40405147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳瀬 典由 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (50366168)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ERM / 企業価値 / リスク情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度においては、ERMが企業価値を向上させうるのか?という点について先行研究の整理を進めた。ERMは、内部統制を包含する広いフレームワークであり、日本でも一般的なマネジメントツールとして普及しつつある。一方で、ERMの実施の有無は企業価値評価にプラスの影響を与えるのであろうか、MM理論の下では、株主の立場からみて、いくつかの諸仮定を前提として、リスクマネジメント活動は企業価値と無関係である。 しかしながら、最近の研究では、 ERMが自社の企業価値・企業業績を押し上げる効果があることが明らかになってきた。例えばHoyt and Liebenberg(2011)、Farrell and Gallagher (2015)などがあげられる。これまでの研究からERMを通じて従業員、経営者が「最適な意思決定」を行った結果として向上していることが浮かび上がってくる。つまり、ERM活動を通じた効率的な資本配分や従業員、経営者のリスクに対する対応能力の向上が結果として、将来キャッシュ・フローに正の効果をもたらしている可能性がある。 現に、リスクマネージャがその効果を期待して行っていることがGiambona et al.(2018)の調査で明らかになっている。Giambona et al.(2018)は全世界の1,100人以上のリスクマネージャーを対象にしたサーベイ調査において、リスクマネジメントの重要な要素として「期待キャッシュフローの増加」をあげている(87%が回答)。 ERM研究の発展によりこうしたことが明らかになってきた一方で、個々のERMの実施状況について外部のステークホルダーが把握する情報は限定されている。ERM情報が統合的なリスクマネジメントの管理体制をステークホルダーに伝える手段としてどのような価値関連性を持つべきか、という点については今後研究されていくべき課題であろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究の検証は終わっており、本年度においてはデータ分析を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度においては新型コロナウィルス禍におけるリスク情報の分析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス禍により予定通りの支出が出来なかったため。
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Research Products
(2 results)