2019 Fiscal Year Research-status Report
原価および収益の構造と顧客関係性の変容に関する研究
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19K02017
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
佐々木 郁子 東北学院大学, 経営学部, 教授 (90306051)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 顧客関係性 / レベニュードライバー / 原価態様 / 原価構造 / ライフサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的の一つである、「企業の原価構造に影響を与えるのは顧客関係性がどう変化するときか」について企業間関係(B to B)を用いて、顧客関係性に関する先行研究レビューと分析を試みた。先行研究レビューでは、管理会計のみならず他の領域の文献を広くレビューすることを行った。また、関係性の変化と原価構造に関する先行研究に基づき、日本のデータを用いて先行研究の再現分析を行ったが、先行研究の結果とは一致しなかった。データの問題もあるため、継続して分析を行い、何が異なる結果をもたらすのか、先行研究を再度レビューしている。企業対顧客(B to C)については、レベニュードライバーにどのような影響を与えるかを研究目的とした。まず、レベニューが何によって動くのか、またレベニューマネジャーはどのようにレベニューを動かそうとするのかについて、以前実施したアンケート調査を用いて、分析を行った。なお、対象産業は宿泊産業とし、レベニューマネジャーのレベニューに与える影響について分析した。また、宿泊業者へのインタビュー調査を行い、アンケートの分析結果と一致するかどうかを、その施設の所在地、業態に基づいて場合分けし、分析を行った。 B to Bに関する組織間関係の先行研究レビューを行ったが、現在、原稿作成中につき、具体的な成果はでていない。一方、B to Cについては、国外学会報告として2件行うと共に、プロシーディングへ掲載した。なお、B to Cに関する研究は、現在、論文を執筆中であり、2020年度に公開できる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
B to Bに関する研究は、良い分析結果を得られていないが、概ね順調に推移している。B to Cについても、過去の質問票調査の結果を再分析するという当初の予定の一部を達成し、1月時点では概ね順調に推移していると考えている。ただし、次の今後の研究推進方策に記す通り、今後大幅な研究計画変更をせざるを得ない状況になっている。また、研究を遂行する上で、インタビュー調査ができない状況が生じる可能性がある。また、研究成果報告についても、国内外学会での発表予定は変更せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
B to Bについては、先行研究レビューの蓄積と、分析を行うことができると考えている。 しかし、B to Cについては、研究計画の大幅な変更が必要となった。理由は、新型コロナウイルス感染症拡大によって、質問票調査およびインタビュー調査の対象として検討していた小売業、宿泊産業が休業や大幅な事業縮小等の変更をしなければいけない状況になっており、そのような状況下での質問票調査およびインタビュー調査はできないからである。今後の研究は、この状況がいつ改善されるのか、ということとも関わっており、見通しは極めて困難である。 現在、研究計画の大幅な見直しをしているところである。 経済活動の回復がいつになるかによって、質問票調査の延期または中止、また、国内外の移動の制約がかかっている状況が1年以内で終わる場合には、インタビュー調査を実施できるが、長引く場合には、インタビュー調査は実施できない。同様に、国内外の学会発表も行うことができないため、発表の形態を論文等に改める必要がある。
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