2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K02032
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
異島 須賀子 久留米大学, 商学部, 教授 (20336069)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | KAM / 監査上の主要な検討事項 / 内部統制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2019年度)は、監査上の主要な検討事項(Key of Audit Matters:KAM)の候補となる内部統制の不備に関する情報を明らかにするため、すでに研究代表者が蓄積しているデータベースに2017年12月決算期以降のデータを追加して、内部統制の不備に関する情報収集をおこなった。データベースの拡充に際しては、総合企業情報データベースeolおよびNEEDS-MT企業リスクウオッチにより内部統制に何らかの不備があることを公表した企業を抽出している。
ただし、当初は、上記のデータベースの拡充に加えて、2020年1月以降に、九州内はもちろん、東京や関西で開催される研究会等におもむいて、九州、関東、関西の研究者や公認会計士に聞き取り調査を行う計画をたてていたが、新型コロナウイルス感染拡大のため、研究会が中止・延期になるなどして、聞き取り調査がほとんどできていない状況にある。
また、すでにKAMが導入されている国や地域のKAM情報の事例を検証するとともに、2020年3月期以降の決算の早期適用に先んじてKAMを公表した我が国最初の事例について詳細に検証した。前者の国外の事例の検証にあたっては、2019年6月に発行された林隆俊編著『監査報告の変革―欧州企業のKAM事例分析』(中央経済社)を活用し、同著の書評も公表している。後者の我が国の最初の事例研究については、その研究成果の一部を『久留米大学商学研究』第25巻第2号に公表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたとおり、新型コロナウイルス感染拡大のため、当初計画していた九州、関東、関西の研究者や公認会計士に聞き取り調査が2020年1月以降ほとんどできていない状況にある。この聞き取り調査は、次年度以降の質問票調査のたたき台となるものであり、研究の推進に必要不可欠であるが、再開の見通しはまだたっていない。
加えて、金融庁が、新型コロナウイルス感染拡大により、2020年3月期の決算にかかる有価証券報告書の開示の延期を認めた。このことにより、我が国におけるKAMの早期適用事例の公表が3か月遅れるだけでなく、当初計画していた事例が入手できない可能性がある。このことは、本研究の推進に影響すると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で述べたとおり、新型コロナウイルス感染拡大のため、当初計画していた九州、関東、関西の研究者や公認会計士に聞き取り調査が2020年1月以降ほとんどできていない状況にある。この聞き取り調査は、次年度以降の質問票調査のたたき台となるものであり、研究の推進に必要不可欠であるが、再開の見通しはまだたっていない。今後は、学会や研究会はオンライン開催となるため、対面での聞き取り調査は困難となることが予想されるため、電話やメール等を利用して、個別に聞き取り調査するなど、何等かの手段を講じる必要がある。
また、我が国におけるKAMの早期適用事例の公表の遅れや、場合によっては本研究に必要な事例が入手できないおそれがある。我が国の事例研究については、当初の計画を変更して、ケーススタディに切り替える等で対応せざるを得ないと考えている。
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Causes of Carryover |
2020年1月以降、九州はもとより、東京や関西におもむき、研究者や公認会計士に聞き取り調査をするよう計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大の外出自粛により、当初計画していた旅費や謝金にかかる経費を次年度以降に繰り越している。
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Research Products
(2 results)