2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K02032
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
異島 須賀子 久留米大学, 商学部, 教授 (20336069)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | KAM / 監査上の主要な検討事項 / 監査報告の変革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2020年度)は、2020年3月期に早期適用されることになっていた監査上の主要な検討事項(Key of Audit Matters:KAM)の事例の詳細な検証を行う予定であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大により、例年であれば6月末に公表される2020年3月決算の有価証券報告書の提出期限が9月末まで延長され、事例分析の着手が当初の予定よりも遅れた。また、KAMを早期適用した会社は43社であり、分析対象となるサンプルは、予想(100社程度)の半分以下となった。
さらに、新型コロナウイルス感染拡大により、学会や研究会はもちろん、日本公認会計士協会や大手監査法人等への訪問が不可能となり、昨年度(2019年度)に引き続いて、研究計画に掲げていた九州、関東、関西の公認会計士の聞き取り調査を実施することができなかった。
このような状況であったため、本年度はKAMを早期に適用した2020年3月決算会社全43社について詳細に検討し、KAMの導入により、日本における監査報告の変革についての考察をおこなった。これらの研究成果の一部は、2020年9月にオンラインにて開催された日本監査研究学会第43回全国大会の統一論題「わが国におけるKAM記載の実態と課題」にて「日本におけるKAMの早期適用レビュー」という論題で報告し、討論をおこなうとともに、「日本における監査報告の変革―KAMの早期適用事例のレビュー―」『会計論叢』(明治大学専門職大学院会計専門職研究科)第16号にて公表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度(2019年度)の研究実績の概要で述べたとおり、新型コロナウイルス感染拡大のため、当初計画していた九州、関東、関西の研究者や公認会計士に聞き取り調査が2020年1月以降ほとんどできていない。
この聞き取り調査は、次年度以降の質問票調査のたたき台となるものであり、研究の推進に必要不可欠であると考えていたが、再開の目途がまったくたてられない今の状況ににおいては、公認会計士への聞き取り調査や質問票調査なしに研究を進められるよう研究の方針転換をせざるを得ない時期にあるといえる。
以上のことから、本研究の推進状況は遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況で述べたとおり、新型コロナウイルス感染拡大のため、当初計画していた九州、関東、関西の研究者や公認会計士に聞き取り調査が2020年1月以降ほとんどできておらず、研究の方針転換は避けられない。
そこで、今後は、2020年3月期にKAMを早期適用した会社の追跡調査をおこなうこととあわせて、データベースから内部統制についてのKAMを公表した会社を抽出して研究を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
2020年1月以降、九州はもとより、東京や関西におもむき、研究者や公認会計士に聞き取り調査をするよう計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大の外出自粛により、当初計画していた旅費や謝金にかかる経費を次年度以降に繰り越している。
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Research Products
(2 results)