2019 Fiscal Year Research-status Report
日本と南太平洋を結ぶ南アジア系ディアスポラの社会学的研究
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19K02038
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
福田 友子 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (40584850)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 社会学 / 移民研究 / 中古車 / 中古部品 / ハラール食品 / 南アジア / 南太平洋 / ニュージーランド |
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| Outline of Annual Research Achievements |
1年目（2019年度）は、海外調査、国内調査、文献調査を実施した。まず7月には、海外の研究協力者が来日したので、それに合わせて、今後の共同研究の方向性について意見交換した。続いて8月に、ニュージーランドのオークランドで現地調査を実施した。過去の調査で訪問することができなかったノースショアなどの調査地点を視察するとともに、2013年以来複数回訪問している、オークランド近郊の南アジア系移民の集住地域や中古車・中古部品業者の集積地などの地域を継続調査した。さらに市立中央図書館等で文献や資料を追加収集した。
9月には、学生の引率でアメリカのニューヨークを訪問したので、その機会を利用して、2011年以来複数回訪問している、クイーンズ地区の南アジア系移民の商業集積地域（ジャクソンハイツ）を視察した。
国内調査では、千葉県印旛地域（四街道市・佐倉市周辺）の調査に力を入れた。千葉県は自動車解体業者および中古部品業者が日本で一番多い自治体と言われており、中でも印旛地域は日本有数の中古部品貿易業者の集積地域となっている。中古部品貿易業は、移民企業家の参入が多く、特にアフガニスタン、スリランカ、タイ、台湾、パキスタン、マレーシア出身の業者が多いと言われている。ビジネスの活発化を背景として、四街道市の小中学校では、近年、アフガニスタン人児童・生徒が急増した。四街道市教育委員会は千葉大学と協力して多文化教育スーパーバイザーを養成し、各校での取組みを進めている。これらの事例は、今後も注目していきたいと考えている。
学会報告については、国内学会で2回、国際学会で2回の報告をした。また複数の論文を執筆し、それぞれ修正・校正作業を進めている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1年目（2019年度）は、本研究の中心となるニュージーランドでの海外調査を実施することができた。また海外の研究協力者と意見交換し、今後の調査方針について検討することもできた。加えて国内調査では、千葉県印旛地域の調査を計画的に進めることができたので、問題の構図を把握するために必要な基礎的データは、一通りそろえることができたと考えている。学会報告については、国内学会で2回、国際学会で2回の報告をした。また複数の論文を執筆し、それぞれ修正・校正作業を進めているところである。複数の共同研究者のスピードに合わせて調査や研究を進めた結果、研究スケジュールとしては、かなり無理をした部分もあったと言えよう。結果的に、当初の計画以上に研究は進展したと考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
2年目（2020年度）は、当初は南太平洋での海外調査を予定していた。しかしながら、新型コロナウィルス感染拡大の影響から、海外調査や国際／国内学会での報告といった研究手法は実現が難しいと思われるので、国内調査や文献調査を中心に研究を進める。
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| Causes of Carryover |
本研究計画では、旅費が支出の大部分を占めるが、1年目（2019年度）の旅費の支出が当初予算より少なかった。まず海外調査ではニュージーランドに渡航したが、出張日程の前半を別の予算から支出した関係で、当初予定した金額の半分程度しか出張費がかからなかった。また国内調査では、千葉県内の調査に力を注いだため、これも支出は少なかった。
繰越額は2年目以降に使用するが、2年目（2020年度）もまた、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、旅費の支出は難しいと予想される。したがって、旅費以外の項目での支出、たとえば調査員の雇用や英文校閲費といった謝金に充てることを検討している。
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