2020 Fiscal Year Research-status Report
日本と南太平洋を結ぶ南アジア系ディアスポラの社会学的研究
Project/Area Number |
19K02038
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
福田 友子 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (40584850)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 社会学 / 移民研究 / 中古車 / 中古部品 / 南アジア / パキスタン / アフガニスタン / スリランカ |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目(2020年度)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、海外調査が一切実施できなかったため、小規模な国内調査を実施した。調査方法は、電話やオンラインでのインタビューが中心であったが、ごく一部の近隣地域については、現地訪問調査も実施した。また文献調査と、過去に収集した調査データの整理・分析を進めた。 2020年度に取り組んだテーマは、大きく分けて4つある。第一に、1年目(2019年度)に実施した、ニュージーランド調査で収集した、南アジア系移民企業家に関するデータの整理・分析である。成果の一部は、英語の共著書に掲載予定である。第二に、主に国内で収集した南アジア系移民企業家に関する調査データの整理・分析である。①パキスタン人企業家、②アフガニスタン人企業家の二集団について、それぞれ単著論文を共著書に寄稿した。さらに、外部の研究会や国際学会で、それぞれの内容をオンラインで発表した。第三に、本研究課題開始前の2018年度に共同研究者と共に実施したスリランカ調査及び国内調査で収集した、③スリランカ人企業家に関する調査データの整理・分析である。この成果は、共同研究者との共著論文として公刊した。第四に、④在日コリアンに関する調査データの整理・分析である。このテーマの情報収集は、本務校の教育実践と連動させ、数年来継続してきた。現在、成果の一部を調査報告書に取りまとめる作業を進めている。本研究課題においては、日本における移民企業家の先駆者であり、かつディアスポラ研究の比較研究対象と位置づけている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来予定していた南太平洋での現地調査が実施できなかった点を見れば、本研究課題の進捗は遅れていると言えよう。しかしながら、過去の収集データを整理・分析したことで、論文執筆、国際学会でのポスター発表、外部研究会での意見交換等、できる範囲の努力や工夫はできたと考える。総合的に見て「やや遅れている」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では、2年目(2020年度)は南太平洋での現地調査、3年目(2021年度)は南アジアでの現地調査を予定していた。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大の収束が見込めないことから、3年目も海外調査の実現は難しいと思われる。そこで、研究計画を一部変更し、3年目も引き続き、国内調査や文献調査を中心に研究を進める。
|
Causes of Carryover |
本研究課題では、旅費が支出の大部分を占める計画だったが、2年目(2020年度)は旅費の支出が無かったので、残額が生じた。海外調査については、一切実施できなかった。国内調査は、一部で現地訪問調査を実施したが、近隣に限定したため、旅費はかからなかった。 繰越額は3年目以降に使用するが、3年目(2021年度)も引き続き、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、旅費での支出は難しいと予想される。したがって、2年目同様、旅費以外の項目での支出を検討している。研究補佐員の雇用や英文校閲費といった謝金、文献資料や分析ソフトのような物品の購入費の割合を引き上げることを計画している。
|
Research Products
(9 results)