2021 Fiscal Year Research-status Report
日本と南太平洋を結ぶ南アジア系ディアスポラの社会学的研究
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19K02038
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
福田 友子 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (40584850)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 社会学 / 移民研究 / 中古車 / 中古部品 / 南アジア / パキスタン / アフガニスタン / スリランカ |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目(2021年度)は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、海外調査が一切実施できなかったため、小規模な国内調査を実施した。近隣地域について、現地訪問調査を実施した。また文献調査や資料収集を進めると共に、過去に収集した調査データの整理・分析を進めた。加えて、オンラインで開催される学会、研究会、シンポジウム等に参加し、情報収集に努めた。 2021年度に取り組んだテーマは以下の通りである。第1に、千葉県内における南・西南アジア系移民に関する調査である。このテーマの情報収集は、本務校の共同研究組織の活動とも連動しているおり、6月に山武市と四街道市、10月に市川市を訪問調査した。第2に、南アジア系移民を担い手とする社会貢献活動及び余暇活動に関する研究である。資料収集を終え、次年度に、国内調査を実施する予定である。第3に、湾岸諸国における移民に関する研究である。文献調査を中心に進めている。第4に、南アジア系移民を中心とするイスラームの宗教活動に関する調査研究である。新型コロナウィルス感染拡大以降、長らく訪問調査を控えていたが、11月に千葉、3月に神奈川のモスクを訪問調査する機会を得た。第5に、在日クルド人に関する調査研究である。11月に埼玉県川口市および蕨市を学生と共に訪問調査した。「難民性の高さ」に関する学術的検討を目指す。第6に、千葉県内における中国系移民の集住地域に関する調査である。10月に千葉市美浜区を学生と共に訪問調査した。南アジア系移民の集住地域の形成/非形成の傾向との比較を目指したい。第7に、千葉県内における在日コリアンの社会史に関する調査である。このテーマの情報収集は、本務校の教育実践と連動しており、調査報告書を取りまとめる作業を継続中である。日本における移民企業家の先駆者であり、かつディアスポラ研究の比較研究対象と位置付けている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来予定していた南太平洋や南アジアでの海外現地調査が実施できなかった点を見れば、本研究課題の進捗は遅れていると言えよう。しかしながら、国内現地調査を複数実施し、オンラインで開催される学会、研究会、シンポジウム等に多数参加するなど、できる範囲の作業を継続しているので、総合的に見て「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画では、2年目(2020年度)は南太平洋での現地調査、3年目(2021年度)は南アジアでの現地調査を予定していた。しかしながら、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、海外調査の実施は難しいことが判明したので、研究計画を一部変更し、2年目および3年目は、国内調査や文献調査、資料収集を進めた。 4年目は、自由な海外渡航が認められる状況になれば、中断していた海外現地調査を再開したいと考えている。それが難しい場合は、引き続き、国内調査と文献調査、資料収集を中心に研究を進める。
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Causes of Carryover |
本研究課題では、旅費が支出の大部分を占める計画だったが、3年目(2021年度)は海外調査が一切実施できなかったので、残額が生じた。 繰越額は次年度以降に使用するが、4年目(2022年度)も引き続き、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、旅費の支出が難しいと予想される。したがって、旅費以外の項目での支出、たとえば研究補佐員や調査員の雇用や英文校閲費といった謝金に充てることを計画している。
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Research Products
(6 results)