2022 Fiscal Year Research-status Report
Higher Education Reform and Humanities-Comparative study on Japan and France
Project/Area Number |
19K02040
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
白鳥 義彦 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (20319213)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡山 茂 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (10308132)
大前 敦巳 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50262481)
上垣 豊 龍谷大学, 法学部, 教授 (80183747)
隠岐 さや香 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (60536879)
中村 征樹 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (90361667)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 高等教育改革 / 人文学 / 日仏比較 / フランス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も、本科研費の研究課題として設定している、2010年代後半以降の今日における日本とフランスの高等教育改革それ自体についての研究という第一の水準(具体的な論点として、①「大衆化」と「卓越化」との二律背反への対処、②大学と教養教育/職業教育、③高大接続の新たな展開、④「大学界」という視点、⑤全般的背景としての高等教育改革の歴史的展開過程、を設定している)、日仏両国における高等教育改革の、人文学に対する影響についての比較考察という第二の水準、さらに、より抽象的なレベルで「モデルの伝播」という概念を両国の高等教育改革から引き出し、人文学研究への普遍的な応用を考えるという第三の水準、を念頭に置きながら研究を進めた。また、論文、学会発表等という形で、研究成果を積極的に公表することができた。 とりわけ日仏教育学会2022年度研究大会では、本科研メンバーが中心となってシンポジウム「大学改革と人文・社会科学-日仏比較の視点から-」を企画し、司会者、報告者として、大学における学問のあり方について根本的な視点から考察を深めた研究成果を発表するとともに、フランスから研究者を招聘し、講演者および討論者をつとめていただくことができた。 「人文学」のあり方そのものを考察の対象とするという本科研費研究の基本的な問題関心に沿いながら、科学史や社会学や文学をはじめとする諸学問そのものについてや、社会における学問の位置等についての研究も進めることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、フランスからの招聘は実現することができたが、当初予定していたフランスへの出張は結局実現できなかった。日仏教育学会2022年度研究大会のシンポジウムでは、研究成果をまとまった形で示すことができたが、フランス出張を通じて対面による直接的な学術的交流は当初考えていたほどには十分に行うことができなかった。このように、特に国際的な学術交流に関する点、また主にこれとの関わりで研究期間を延長することとなった点を踏まえて、進捗状況についてこのように判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進においても引き続き、研究課題として設定している、第一の水準としての、2010年代後半以降の今日における日本とフランスの高等教育改革それ自体についての研究(具体的な論点として、①「大衆化」と「卓越化」との二律背反への対処、②大学と教養教育/職業教育、③高大接続の新たな展開、④「大学界」という視点、⑤全般的背景としての高等教育改革の歴史的展開過程、を設定)、第二の水準としての、日仏両国における高等教育改革の、人文学に対する影響についての比較考察、さらに、第三の水準としての、より抽象的なレベルで「モデルの伝播」という概念を両国の高等教育改革から引き出し、人文学研究への普遍的な応用を考えるという諸点について、着実に研究を進めていく。2023年秋に開催予定の日仏教育学会大会に、フランスから研究者を招聘すべく、具体的な準備をすでに開始している。また出張を通じて、対面での学術交流を深化させたい。
|
Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響により、予定していた外国出張を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度には出張を行うことを計画している。
|