2022 Fiscal Year Research-status Report
障害女性の生きづらさの実態と解消方策の検討―制度の実効性に関する東アジア比較―
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19K02047
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Research Institution | Fukuyama City University |
Principal Investigator |
後藤 悠里 福山市立大学, その他部局等(英語特任), 特任教員 (70750199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 葉 愛知大学, 文学部, 教授 (60339538)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 障害者差別解消法 / 東アジア / 障害女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、障害女性の生きづらさを解消させる制度の効果を探索的に明らかにするとともに、日本の障害女性の生きづらさに対する解消方策を示すことである。そのために、障害者差別禁止法を日本より先に成立させ、先行した制度を持っていると考えられる香港・韓国を対象に調査を行っている。 2022年度は、韓国について先行研究を整理した。 また、香港について、障害者が取り巻かれている現状に関する講演会の開催、資料収集を行った。第1に、香港・平等機会委員会に依頼し、公開講座という形で、香港の状況について紹介していただいた。当委員会は、政府から独立した法定機関であり、香港における差別禁止条例(性差別禁止条例、障害者差別禁止条例、家庭内の地位に関する差別禁止条例、人種差別禁止条例)の実施を担っている。障害者差別禁止条例の概要(成立以降の変化も含む)、判例を紹介いただいた。本講座の内容は、障害学会国際委員会のコラム「香港平等機会委員会と香港の今」)としてまとめた。 第2に、複数の主体による香港の現状認識を把握することを試みた。中国は障害者権利条約を批准しているため、国連・障害者権利委員会による審査を受ける。審査のために、2018年から2022年にかけて、中国政府、非政府組織などから、香港の現状についてのレポートが提出されている。これらのレポートを整理し、分析を行った。 さらに、日本の障害女性の生きづらさに関して、学会発表に修正・追加をし、論文にまとめた。具体的には、精神障害女性が直面している生きづらさの内容、および、障害者運動内での障害女性の生きづらさについて考察した。本論文については、2023年度に発刊される書籍に収録される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献調査および日本の障害女性の生きづらさの実態解明などについてはほぼ完了したが、障害女性に対するインタビュー調査に関しては、当初依頼することを想定していた障害者団体が解散してしまったことなどにより、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
オンライン調査を受けてもらうインタビュー対象者を探す。インタビュー調査、対象とする障害者団体の範囲を広げるとともに、現地の研究者に依頼するなどする。これまでの研究とインタビュー調査を合わせて論文にまとめる。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査を予定通り進めることができなかったために次年度使用額が生じた。今年度は、インタビュー調査を行い、謝金を支払う。
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Research Products
(2 results)