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2020 Fiscal Year Research-status Report

シカゴ学派社会学における観察する/観察される女性:女性によるモノグラフの分析から

Research Project

Project/Area Number 19K02058
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

酒井 千絵  関西大学, 社会学部, 教授 (30510680)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsジェンダー / 社会学史 / 社会調査
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、すでにシカゴ大学図書館で収集した20世紀初頭のシカゴ学派の社会学的研究を改めて読み、分析することを中心に研究を進めた。主に用いたのは、フランシス・ドノヴァンの出版された書籍、ジェーン・アダムスとハルハウスについての当時の資料と研究、社会学とソーシャルワークに関する資料とこれに言及した研究を整理し、近年の初期シカゴ学派社会学についての議論や当時の資料と対照して、議論を整理した。
また、シカゴ歴史博物館等オンラインで閲覧可能な資料を読み、この時代の女性の職業や都市生活について、背景となる情報を補足した。
2020年7月にブラジル・ポルトアレグレで予定されていた国際社会学会において、フランシス・ドノヴァンの業績を通して初期シカゴ学派とジェンダーについて報告を行うとともに、歴史的なモノグラフを現代の視点から分析する可能性についてのセッションを企画し、その司会を行う予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で延期となった。結果として2月にオンラインで行われた学会で「The Sociologist Who Wait:Frances Donovan and Her Contribution to the Chicago School of Sociology」というタイトルで報告を行うことができた。また、2名の報告者を迎えて、「Revisiting Sociological Research and Monograph in the Past」と題するセッションも開催することができた。これらの報告を通じて、この研究が社会学領域において、他の研究者と問題意識を共有しうることを確認することができ、今後の研究の方向性を再検討することができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

2020年度には、学会報告を行うとともに、収集済みの資料を整理した上で、シカゴでの博物館と大学図書館での調査を行う予定であった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で国外調査を行うことは不可能となり、調査を行うことができなかった。オンライン上で閲覧可能な資料を探し、また収集済みのデータや研究論文、書籍を用いて、研究を進めるように努力したが、研究面での遅れは否定できない。しかし、オンラインとはいえ、学会報告をすることができ、コメントや他の報告者との意見交換を行えたことで、研究上の示唆を得ることができた。

Strategy for Future Research Activity

2021年度も国外調査を行うことは難しい可能性があり、状況によっては、シカゴ学派とジェンダーについての研究は継続しながら、国内の対象、たとえばシカゴと同様、20世紀初頭に産業化が高度に進展し、都市人口が増加して、さまざまな都市問題に直面していた大阪を事例として、社会学的な調査研究において女性がどのようにかかわったのか、あるいはかかわることが難しかったのかについて、研究を広げていくことを検討している。
また、フランシス・ドノヴァンが出版したウェイトレスのモノグラフについて、翻訳を整理し、位置づけを明らかにした上で公開することを目指したい。

Causes of Carryover

本年度は、新型コロナウイルスの国際的な感染拡大の影響を受け、海外調査を予定通り行うことができなかった。また予定していた国際学会報告のための海外出張も取りやめとなり、オンラインでの報告となってしまった。その結果、使用計画通りに予算を消化することがかなわず、次年度使用額が生じている。
次年度も海外調査や海外での学会出席を行うことができるかどうかは不透明だが、海外からの資料の取り寄せ、また国内での比較対象事例についての資料収集と分析、などを行い、使用計画を見直しながら、研究を進めていく予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2021

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] The Sociologist Who Waits: Frances Donovan and Her Contribution to the Chicago School of Sociology2021

    • Author(s)
      Chie Sakai
    • Organizer
      ISA Forum of Sociology
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-12-27  

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