2020 Fiscal Year Research-status Report
From Nomadic People to Migrant Worker : Globalization and Hill People of Thailand
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19K02062
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Research Institution | Hiroshima Kokusai Gakuin University |
Principal Investigator |
崔 博憲 広島国際学院大学, 情報文化学部, 教授 (60589373)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | タイ山地民 / 移動民 / 移住労働者 / グローバル化 / マイノリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き2020年度も、近年増加を続けているタイ山地民の国境を越える移動労働を理解するために、かつて国民化されていなかった先住民や民族マイノリティによるグローバルな移動に関する研究や資料の読み込みや分析考察を行った。とりわけ、タイ山地民のような国民国家および資本主義市場経済システムの外部を生きていた人びとや集団がそうしたシステムに内部化(国民化、賃労働者化)されることによって周縁労働力として国境を越える移動をしているという点を中心に考察を進めた。 2020年度は、前年度の8月にチェンライ県で実施した予備調査を踏まえて、現地のカウンターパートともに3週間程度の現地調査と、タイ山地民の出稼ぎ先である日本、韓国、台湾での調査を予定していたが、いずれも新型コロナウィルスの感染拡大の影響により実施ができなかった。なお、2021年度3月に予定していた現地調査も実施できていなかったので、現地調査を実施する対象村についても最終的に決定できていないままとなっている。このように現状において当初計画していた研究が遂行できていないのだが、オンラインでタイ山地や移住労働をするタイ山地民が現在どのような困難に遭遇しているのかについての把握に努めた。具体的には、現地のカウンターパートと定期的にオンラインで連絡を取り合い、コロナ禍におけるタイ山地民の状況や、海外で働くタイ山地民をめぐる動向について情報収集を行った。また、日本国内で技能実習生として働くタイ山地民と数人とオンライン上で連絡を取り合い、聞き取りを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、新型コロナウィルスの感染拡大によって計画をしていた調査、とりわけタイ山地やタイ山地民の出稼ぎ先である韓国や台湾での調査が実施できていないため、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、マイノリティの移住労働についての先行研究や資料をさらに分析し、理論的な考察に重点を置きたい。 新型コロナウィルスの感染拡大によって実施できなかった海外調査については、2022年以降に実施せざるをえないと考えている。2021年度中は、日本国内での小規模な調査とタイのカウンターパートや研究協力者とオンラインでとりあいながら、新型コロナウィルスの感染拡大のタイ山地民への影響、海外で働くタイ山地民の現状などについての情報を収集し、分析と考察を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの感染拡大によって、2020年度に予定していた調査を実施できなかったため、次年度使用額が生じた。予定していた調査は2022年に実施する予定である。
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